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おーぷん2ちゃんねる百物語

おーぷん2ちゃんねる百物語2015 本スレ

第31話『幽霊デパート』 宵待草◆zGmkUMDv/mqt
駅に直結している便利な土地なのになぜか何度も入るデパートが変わってしまう…
そんな所ってありませんか。

これは私の地元の話です。
そこは新しくて綺麗な建物で大手の百貨店が入ったのですが、すぐに撤退したんですよね。
次に入った所もすぐに出て行ってしまいました。
その後ちょうど、リニューアルオープンをした頃だったと思います。

「出る」という噂が立ったんです。

従業員の人達が見たというんです。
私が聞いたのは非常階段の話と地下駐車場の話でした。

特に怖いのは地下駐車場なんだそうです。
昼でも暗くてじめじめした所なんですが、そこにゆらゆらと、白い人影のようなものが漂っていることがあるらしくて。
日によってはおびただしい数のそれが、ゴーッと音を立てて、
デパートとつながっている入り口から次々と出ていくんだそうです。


元々は墓地だった場所にデパートを建てたからじゃないかと思っています…。
第32話『鏡』 葛◆5fF4aBHyEs
春。学年が3年に上がった時、同じクラスになった同級生の中に、1年の時も同じクラスだったエリちゃん(仮名)が居た
といっても自分は最初、それが『エリちゃん』だとは気が付かなかったのだけれど
1年の時のエリちゃんは、黒髪を二つに束ね、泣きぼくろが印象的な眼鏡を掛けた大人しい女の子で
人見知りが激しいのか、話しかけるとドギマギする小動物系の子だった
2年はクラスが別だったからよく知らない
3年になったエリちゃんは、髪は緩くウェーブのかかった濃いめのブラウンになり、眼鏡はコンタクトに代わり、化粧もバッチリの社交的で明るい女の子に変わっていた
実を言えば1年の時、どこのグループにも属さない余り者同士、ペアを組む際には必ずお世話になっていたので、同じクラスと知って密かに「やった!」と思っていたのだけど
……エリちゃんは、2年の時に同じクラスだったというカナミさん(仮名)たちのグループと親しくなっているらしかった
それにしても、雰囲気が一変したからかな?
エリちゃんを見てると、何か違和感がある
毎回、本当に微かな違和感で、言葉には表現できないのだけれど、その違和感は砂のように自分の中に積もっていった

エリちゃんとペアを組むことになったのは、文化祭の時だ
各クラスから2名ずつ、文化祭の実行委員を選出するのだけど、立候補したエリちゃんが、何故か自分を指名してきたのだ

「1年の時は、よくこうして二人でお弁当食べたよね」
打ち合わせをしながら、エリちゃんがお弁当を取り出す
「そうだね」
自分も購買で買ったパンを取り出しながら、拭えない違和感を抱いたままエリちゃんを見る
見た目も性格も変わったけれど、右目のところの泣きぼくろは変わらない。ちょっと照れ臭そうに笑う仕草も、昔のままだ

自分でも、何に違和感を覚えているのか解らない
でも、「何かが違う。何かが可笑しい」と確信に近い思いを抱いている
「エリ、ジュース買ってきたよ」
カナミさんが、エリさんにジュースを手渡す
……可笑しいと言えば、カナミさんも様子が可笑しい
3年になるまで同じクラスになったことは無かったが、それでも、同じ学校なのだから、見かけたことはある
もっと派手派手しく、気が強そうな瑞々しい雰囲気だった彼女が、エリちゃんに畏縮してる……?
「ありがとう」
エリちゃんがジュースを受け取ると、カナミさんは妙な笑いを浮かべて「じゃ、じゃあ……」とそそくさと去っていった
エリちゃんがお弁当を開け、箸を右手で持つ
その瞬間、違和感の正体を理解した
「エリちゃん……右利きだったっけ……?」
そうだ。確かにエリちゃんは左利きだった。「左利きって天才が多いらしいよ」……そんな会話をしたはずだ
そうだ。そういえば、エリちゃんの泣きぼくろは左目の方にあったはずだ。「利き手の側なんだね」というやり取りを思い出す
口の中が急速に乾上がるのを感じた
目の前で、こちらの様子など意に介さず、エリちゃんがお弁当を食べている
「……あ……なた、誰……?」
漸くそれだけ言葉を絞り出すと、『エリちゃん』はニヤリと笑った
……それは、かつてのエリちゃんの頃には見なかった笑みだ
「……私は、『なりたい自分』になっただけよ。『自分じゃない、自分』に」
その声は、エリちゃんとは似ても似付かなかった

後で知ったことだが、2年の時、エリちゃんはカナミさんたちのグループに、いじめられていたのだそうだ
その後、何があったのかは知らない
ただハッキリしていることが一つだけある

1年の時、一緒にお弁当を食べたエリちゃんは、もういない
第33話『遺書』 代理投稿立候補◆YtFiiqjbeo
友人の話です。
友人が高校生の頃、同級生の女の子が自殺したそうです。原因は結局不明のまま。受験ストレスで片付けられてしまいました。
するとその子が亡くなった直後から、その子のクラスメート全員に、不幸な出来事が続くようになりました。
重い内容で言うとある者は突然母を亡くし、またある者は兄弟が「子供同士のおふざけ」の最中に後遺症の残る怪我を負う。そんな具合でした。

実は自殺した子、クラスメート全員から空気のように扱われ、それを苦にして自殺したそうです。
なぜそんなことが分かるのかというと、彼女の遺書が友人の靴箱に入れられていたから。
彼女、友人に片想いしていたようなんです。
クラスメートへの恨みが込められた遺書の裏側には、友人への淡い恋心とそれを成就させずに去らなければならないことへの無念、遺書は絶対に公開せず友人に持っておいてほしい旨が綴られていたそうです。
友人は遺書を公開しようと思ったそうですが、彼女の遺志を尊重しその存在を隠しました。

彼女のクラスメートに起こった出来事は遺書の呪詛や恨み言にそう形であったため、怖い話と言えば怖い話なのですが、この話を聞くとどこか切ない気持ちになります。
第34話『お経』 林檎◆vCMeD/yt1
去年、近くの神社で夏祭りがあった日のこと。
男女数名で近くの神社(夏祭りの場所とは別)に肝試しに行ったときのことです。
そこは曰く付きの、そんなに有名ではない小さな…少し寂れた神社でした。
暗くなってきた7時ごろに残った四人で神社の奥まで行こうという話になり、
一人ずつ行くのは気が引けたので「みんなで行こう」、と提案しました。

神社のお賽銭箱の前まで来て、
みんなでお祈り?をして、いざ! と奥に入ろうと向きを変えたとき――。
どこからか、微かにお経が響き始めました。
どこから聞こえているのか、それは一瞬にして理解出来ました。
お賽銭箱のあった社の近く…
奥へと続く道の横に建てられていた小さな小屋。
そこから、微かに人の声のような、
初詣などでよく聞くお経のような声が聞こえていました。

「ここって、今、誰も居らんのちゃうん・・・?」
隣に居た友人が口を開きました。
その顔は真っ青だったのを、今でも覚えています。
で、臆病な私がその言葉に本気で怖がって、
私を筆頭に、入口付近まで急いで戻っていきました。

あとから聞いた話ですが、その神社で昔
同じように肝試しをしに来た男性の一人が行方不明になっていたことを知りました。

お経が聞こえていた場所なんですが、
なぜか紙切れが貼ってあったのを妙によく覚えていました。
あれは一体、なんだったのでしょうか。

もしかして、と、私たちが彼の二の舞にならないように
なにかが引き止めてくれたのかもしれません。
そうだったら、嬉しいのですが。
もし、私達が奥まで行っていたら……と考えると、
今度はカメラとか持って奥に挑戦したいところです。
まあ、一人じゃ絶対行きませんが。
第35話『人形』 葛◆5fF4aBHyEs
まだ小学校に上がる前、一時的に親戚の家に預けられていたことがある
その親戚の家は古い日本家屋で、大人になった今から思えば「趣のある」家なのだが、小さい頃は妙に暗いし妙に埃っぽいし妙に湿度が高いし、とにかく怖かった
特に、ガラスケースに入った日本人形が怖かった
何故か、ふと視線を向けると必ず目が合うような印象があって、常に見られているようで気持ちが悪かった

そんなある日、何かの用事で親戚が出掛けることになり、一人で留守番をすることになった
「夕方までには帰ってくるから。おうちの外には出ないようにね」
そう言われて頭を撫でられたのは、確か昼過ぎた辺りだったと思う
ぬいぐるみ、ままごとセット、スケッチブックにクレヨン……一人で遊べるだけの道具はたくさんあった
最初は大人しく落書きして遊んでいたのだが、それも次第に飽きてしまった

『……遊ンデアゲヨウカ……?』
不意に、そんな声が聞こえてきた
不思議に思って見回すと、人形と目が合った
『一緒ニ遊ボウ……?』
退屈していた自分に、その誘いはとても甘美だった
不思議と、怖いとは全く思わなかった。遊んで貰えることが楽しみで、ガラスケースを持ち上げる
と、確かにケースの中に居たハズの人形の姿が、ふっ……と消えた
『コッチ、コッチ』
きょろきょろ見回しながら声の方を向くと、クレヨンの散らばった卓袱台の上に人形が立っていた
ワクワクしながら、そぉっと人形に歩み寄り、掴もうと手を伸ばす。と、またふっと人形の姿が消えた

『コッチ、コッチ』
今度は天井の梁に腰掛けていた
当然手が届くわけはないので、何か無いか探し回り、箒を手に人形の元へ戻る

『コッチ、コッチ』
折角箒を持ってきたのに、人形はいつの間にか座敷の真ん中に移動していた
今度は逃がさないように、と鼻息も荒く飛びかかる自分の前で、また人形が消える

『コッチダヨ』
からかうように楽しげな人形の声。今度は、箪笥の上に立っている

『コッチ、コッチ』
捕まえようとすると、人形が姿を消す。欄間から姿を消した人形を探しながら、いつしか追い掛けっこに夢中になっていた

『コッチダヨ』
廊下に居たはずの人形が、いつの間にか縁側の窓の向こう、庭に出ていた
自分もすぐに鍵を開け、庭に出る
と、人形が数メートル先のツツジの上に現れる

『コッチコッチー』
ツツジに駆け寄った時には既に、人形は玄関の前の石畳の上に居た
その動きの速さに翻弄されながらも、自分も玄関の前に向かう

『コッチ、コッチ』
玄関前から数メートル先に移動した人形を見据え、今度こそ、と息巻いて、人形から目を離さないようにしながら慎重に歩を進める

一歩、二歩……飛びかかれるくらいの距離で足を止め、一気に飛びかかる

その瞬間、ぐいっと力強く後ろから襟を引かれた
びっくりする自分の鼻先を、トラックが掠めていく
……いつの間にか、人形は道路に出ていたのだ
気づかないまま飛びかかっていたら、今のトラックに引かれていたハズだ
「コラッ!!何してんの、危ないやろ!!」
自分の襟首を掴んでいたのは、そこの隣に住んでいるおばさんだった
もしかしたら死んでいたかもしれないことに気が付いて、自分は泣き始めた
人形はトラックに引かれ、バラバラになっていた


それから後は、よく覚えていない
人形とのやりとりをおばさんに話したら、大慌てで親戚が帰ってきて、その日のうちに自分は家に帰された

人形は、既に供養されたらしいと聞いたが、自分は今でもあの人形との出来事を夢に見る

『コッチ、コッチ。コッチダヨ……』

第36話『梅干し』 0202◆7fx3VkTePk
友人の祖母は半分自給自足をしている田舎暮らしの人のため、漬物や干し野菜など、保存食をよく作るそうだ。
けれど一つだけ作らないものがある。それは梅干しだ。
祖母の畑には梅の木があり、毎年それなりに実をつける。それを使って梅酒は作るのに。

「どうしてお婆ちゃんは梅干しだけ作らないんだろ?」
「昔は作っていたのよ」
ある時ふと漏らした友人の疑問に、彼女の母親は複雑な表情で答えた。そうしてその理由を教えてくれた。

「お婆ちゃんの梅干しはとてもおいしかったんだけどね。
私が子供の時に、その年作った梅干しが全部カビちゃったことがあったの。
お婆ちゃんは『ああ、また・・・』って苦しそうな顔してね。
上手なお婆ちゃんが失敗するのも珍しいとは思ったんだけど、
その時は(なんのことだろう?)っていうくらいだったかな。
それから一か月しないうちに近親者が突然亡くなって。
次の年から梅干し作らなくなって。
理由を聞いたら悲しそうな顔して笑うだけ、でもその顔を見た時に、
多分前にも梅干しがカビた時に誰か死んだんだって子供ながらになんとなく理解したわ」

「生ものだし偶然でしょ?」
友人がそう問いかけると、母親は苦笑して答えた。
「二度あることは三度あるなのか、本当に偶然かどうか確かめるのって、結構勇気がいると思うけど?」
第37話『夜烏』 薄荷柚子◆CYOadRFefE 様
我が家では「夜烏が鳴くと良くない事が起こる」と言い伝えられている。
夜烏とは読んで字の如く「夜に鳴く烏」の事だが、
不吉の前兆の夜烏は、真夜中に一声だけ鳴くという。

私の伯父は昔、夜烏を聞いた。

夜中にトイレに起きた時、家の中にもかかわらずはっきりと
「カァー…」と聞こえたのだそうだ。
翌朝その話をすると、伯父の祖母が顔色を変えた。
「少しの間、外出は控えなさい」
祖母は真剣そのもので、とにかく外に出るなと言う。
伯父は言い伝えなど信じていなかったし、会社員がそんな理由で休む訳にもいかない。
ただ、幸か不幸か連休初日だった為、休みの間は出かけないという事で祖母に納得してもらった。

何事も無いまま迎えた連休最終日、伯父の学生時代の友人A、Bが遊びに来た。
たまたま近くまで来たので寄ったのだと言う。
暇を持て余していた伯父は大喜びだったが、祖母は良い顔をしない。
「物忌み中に人と会うものじゃないよ」
伯父は祖母の言葉を無視して友人達を招き入れ、夕食を共にし大いに語らった。
上機嫌で二人が帰った数時間後、伯父に電話があった。
先ほどまで一緒にいた友人Bからだ。

「Aが死んだ」

伯父の家を後にし二人で帰る途中、Aは車に飛び込んだのだそうだ。
伯父は突然の訃報に戸惑いながらも、最期に自分に会いに来てくれたんだな…と涙した。
だが、それは違うとBは言う。伯父の所に行こうと言い出したのはBなのだそうだ。
その上自殺ではないとも言う。
その根拠は、AとBは卒業後も頻繁に会っていたのだが、
Aは仕事も家庭も順調で、死ぬほどの悩みがある様には見えなかった事。
そしてAが車に飛び込んだ時の状況だ。

AとBは駅に向かい、夜道を歩いていた。
会社での失敗談で盛り上がり、二人で大笑いしたそうだ。
それはAが話している時の事。

「そうしたら課長が書類をわs

そのまま車に飛び込んだ。
話の区切りどころか単語の途中で、Aは車に突っ込んで行った。
その変貌ぶりがあまりに唐突で、Aの意志とは思えなかった、とBは語る。
「何か…病気とかの発作だったんじゃないか?」
そう疑問を投げかけても、Aは病気なんかしていなかった、とにかく自殺ではないと主張するB。
伯父は少し落ち着く様に促して、電話を切った。

友人の不可思議な最期。受け入れる事が出来ず呆然としていると、祖母がどうしたのか、と声をかけてきた。
Aの事を聞いた祖母は沈痛な面持ちになり

「厄を受けたんだね」

と呟いた。
伯父は冷水を浴びせられた様な寒気を覚えたと言う。

伯父の聞いた夜烏とAさんの死に、因果関係があったのかは分からない。
ただ、伯父はその後40年近くAさんの供養を欠かしていないのだ。

ちなみに伯父の祖母が亡くなった時には、私の母が夜烏を聞いている。
第38話『母ちゃん』 花梨◆km01tk49hI
友人から聞いた話をそのまま書かせていただきます。

俺の母親、中学のとき死んだんだよ。
その後、いつだったか、俺、反抗期になって父親と喧嘩して家を飛び出したんだ。
何にも考えずに家から離れたくて全力で走ってた。
そんで前見てなかったせいで車道に飛び出しそうになったんだけど、その時なんかもやもやした変な物体が目の前を横切ってった。
びっくりして止まったら真ん前をトラックが走っていって呆然としてた。
今思えばあれ母ちゃんだったのかなあ?
第39話『夏の夜』 吉行◆mHqJ7otKZM
夏の夜。暑くて寝苦しい。寝ようにも寝れない。
そんな状態で寝返りばかり打っていると、急に全身が動かせなくなった。
これは金縛りか。そう思いどうにか指先だけでも動かそうと躍起になっていると、背筋がぞくっとした。
汗ばんだ首筋に、生温い空気が緩くかかったのだ。
それはまるで人間の吐息を吹き掛けられたように感じられて不快で、自分以外の誰かが後ろにいるようで恐怖も感じた。

金縛りにあったのは体感でも時計でもほんの数分だった。
全身の強ばりがとれ、安心した俺は寝返りを打った。そして後悔した。
目の前に、男の顔が転がっていた。
俺は恐怖のあまり意識を失いそのまま朝を迎えた。
第40話『天井』 狐 ◆fmUqUShWkg
実家の座敷で昼寝をしようと、うとうとしていた時である。
突然天井の方から、ドタドタドタッ!!という人が走り回る音がした。
びっくりして飛び起きる。
誰だ、こんな大層な音を立てているのは。
寝起きの鈍い頭でそこまで考えてから気づいた。
今日は自分以外誰もこの家にはいないのではなかったか。

ふと見上げると、
その天井を走り回ったかのように小さな足跡がついていた。

気が付くと夕方で、どうやら寝てしまっていたらしい。
見上げた天井には足跡など無かった。

あれは夢だったのか、それとも他の何かだったのか。

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