【名作】転校生が幼なじみだった話をする
転校生が幼なじみだった話をする
- 1 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:49:30 ID:7QO3wPzXs
- 2012年 初夏 とある同窓会
「おまえらとはしょっちゅう会ってるから、同窓会って言ってもな」
「でもみんな10年前と変わっちゃってて、誰が誰だかわかんないよ」
「委員長がそれを言う?」
「どうせツッコミ待ちだろ?」
「フフフ」
「誰が最初にこいつが委員長だと気付くかな?」
「誰も気付かなかったりして」
「あ、10年前といえば、やっちゃんが転校してきたのちょうど10年前の今日じゃないですか?」
「……あ、言われてみれば」
「へぇ、よく覚えてるなそんなこと」
「え~、忘れちゃったの?あのときのこと」
「日付まで覚えてられるかよ。でもまぁ、あのときのことは今でもはっきりおもいだせるよ。
……なんせ後にも先にも警察沙汰になったのはあの事件くらいだしな……」 - 2 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:50:04 ID:7QO3wPzXs
- 2002年 初夏 学校 朝の会
担任「中学最後の年ですが、今日からこのクラスで一緒に勉強する仲間が増えます。山田さん、入ってきて下さい」
山田「……私の名前は山田です。皆さ――」
男子一同「おおおおおおおおおおおお」
DQN「やべ、あの子超かわいくね?」
俺「ん?たしかにかわいいっちゃかわいいけど、あれって……」
DQN「あん?別におまえに聞いてないよ。うおおお、マジカワイイ」 - 3 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:50:40 ID:7QO3wPzXs
- DQN「ねえねえ、山田さんどっからきたの?」
山田「北海道から」
DQN「うわ、なまら遠いべwwww」
山田「あ、北海道弁」
DQN「なつかしいべさ?」
山田「うーん、別に懐かしくはないかな、おとといまではふつうに北海道にいたし」
DQN「……だよねー」 - 4 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:50:56 ID:7QO3wPzXs
- 山田「懐かしいっていうならここの方言の方が懐かしいかも」
DQN「あれ、山田ちゃんこの辺住んでたことあんの?」
山田「うん、小4までこっちに住んでたんだ」
DQN「マジかよ。こっちじゃ山田ちゃんみたいなおしゃれな子いないって。髪染めてるのだって1人もいねえし」
山田「前の学校ではこれが普通だったから……」
DQN「うひょお、レベルたけえ!!」
女子一同「……」 - 5 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:51:22 ID:7QO3wPzXs
- 昼休み
委員長「ねえ俺くん、あの転校生ってさ、山田さん、だよね?」
俺「本人がそういってるならそうなんじゃない?」
委員長「や、そういう意味じゃなくて、小学校のとき一緒に遊んでた山田さん」
俺「ああ……だろうな」
委員長「なんかずいぶんイメージ変わっちゃったね。なんていうか、こう……こう……」
俺「女らしくなった?」
委員長「うん!なに食べたらあんなにおっぱい大きくなるのかな?」
俺「北海道のジャガイモとかかな………おまえ、おっぱいて」
委員長「おっきかったねー」
俺「……おっきかったなー」 - 6 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:51:56 ID:7QO3wPzXs
- DQN「おまえさぁ、何?山田ちゃんのこと知ってんの?」
俺「……まあ、同じ小学校だったから少しは」
DQN「なあ、いいもんやるからさ……山田ちゃんの家教えろよ」
俺「いいもの?」
DQN「コンドームだよ、コ ン ド オ ム 。保健の授業でやったべ?ほら、厚さがたった0.03mmしかねえの。箱で買ったら何個も入ってたから。もし家の場所教えてくれんなら1個オマエにやってもいいよ」
俺「へえ、これがコンドーム……」
DQN「な、いいだろ?教えてくれよ」
俺「いや、転校してきたばっかりで知らないし」
DQN「は?使えね~なオマエ!返せよ、俺のコンドーム!」 - 7 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:52:33 ID:7QO3wPzXs
- 同じく昼休み 女子たちの会話
おしゃれ番長「山田さん、せっかくだし学校案内してあげる!」
山田「ありがとう。でも今朝先生に教えてもらったから大丈夫」
おしゃれ番長「いいから!一緒に行こっ!ねっ!」
山田「ごめんなさい、わたし、転校の手続きとかいろいろやらなくちゃいけないことあって……」
おしゃれ番長「そんなの放課後みんなでやればいいよ!ねえ、みんな!」
女子A「そうだよ、みんなで協力するよ」
女子B「困ったことがあったらなんでも言ってね」
女子C「私たち友達じゃん!!」
おしゃれ番長「決まり~!ね、まずは一緒にトイレ行こ!」
山田「うん……」 - 8 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:52:55 ID:7QO3wPzXs
- 下校途中
俺「?ふっ切るはずの 心に――」
委員長「そういえば幽遊白書、再放送してるんだよね」
俺「今のですぐタイトルでてくるとか、さすが委員長」
委員長「へへ」
俺「まあ、部活あるからちょうど見れないけどな」
委員長「えーっと、前やってたのがいつだったけ?」
俺「小4のときだよ。まぁあれも再放送だったんだけどな」
委員長「よくおぼえてるね~、さすが俺くん」
俺「べつに、ただおぼえてただけだ」
委員長「?まっちの 人ゴミ 肩が ぶつかって1人ぼっち」
俺「?はってない 草原 風が びゅびゅんと 1人ぼっち」
2人「?どっちだろ~?泣~きたくなる 場所は――」 - 9 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:53:04 ID:JYbLqkE5U
- ノンフィクション?
- 10 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:53:37 ID:7QO3wPzXs
- ノンフィクション
2ちゃんで規制されたのでこちらで
- 11 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:53:55 ID:7QO3wPzXs
- 委員長「――そういえばさ、山田さん帰ってきたじゃない?」
俺「……おう」
委員長「なんかいろいろ手続きとか大変そうだったよ」
俺「……?」
委員長「今日委員会だったから、僕ずっと会議してたんだけど、教室帰ってきた時も、まだいろいろやってみたいだから」
俺「女子連中といっしょにだろ」
委員長「ううん、1人で」
俺「え?」 - 12 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:54:29 ID:7QO3wPzXs
- 委員長「はじめから終わりまでたぶん1人でやってたんじゃないかな」
俺「ほかの女子連中は?」
委員長「何人か教室にいたけど――」
俺「声かけなかったのか?」
委員長「かけたけど、あんまり話せなかった」
俺「小学校の思い出話でもしそうなものなのに」
委員長「それがさ、山田さん僕のことおぼえてないみたいなんだよね……」
俺「え、ほんとか?」
委員長「『はじめまして』っていわれちゃった」
俺「いっしょに風呂まで入った仲なのにな……」
委員長「え?俺くん山田さんとお風呂いっしょに入ったの!?」
俺「あれ?委員長もいっしょじゃなかったっけ?」
委員長「いっしょじゃないよぉ!あのおっぱい見たのかよぉ!」
俺「いや、幼稚園の頃の話だから。……てか今日おまえおっぱいの話ばっかりだな」
委員長「あの大きさは夢にまで見る自信があるよ……」 - 13 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:54:58 ID:7QO3wPzXs
- 夜、自宅
母「あんた小学校のときいっしょに遊んでた山田ちゃんっておぼえてる?」
俺「……おぼえてるよ、なに突然?」
母「実はね昨日こっちに帰ってきたみたいなの!」
俺「知ってるよ、同じクラスだし」
母「あっら~そうなの!よかったね、また仲良くできて」
俺「別に……それに、向こうは俺のことおぼえてないかもしんないし」
母「あら、そうなの?」
俺「あの委員長のことも忘れてるみたいだからさ、俺なんかおぼえてるわけないよ」
母「あんなに仲よかったのにねぇ」
俺「……そういや母さん、なんで山田のことなんか?」
母「なんでってあんた、となりの社宅にまた引っ越してきたんじゃない。昨日トラックきてたでしょ?」
俺「……マジで?」 - 14 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:55:13 ID:7QO3wPzXs
- 翌朝 教室
DQN「委員長も山田ちゃんと同じ小学校だったんだろ?山田ちゃんどこ住んでるか知らね?いいもんやるからよぉ」
委員長「小学校のとき住んでた場所ならわかるけど、今どこに住んでるかまでは僕も知らないな」
DQN「チッ、使えねえ!」
委員長「なんでそんなに山田さんの家知りたいんだい」
DQN「は?そんなのおまえに関係なくネ?」
委員長「ちょっと前ストーカーに関する法律が厳しくなったから、そういうのはよくないと思うよ」
DQN「は!?俺ストーカーじゃねえし!」
委員長「ストーカーはみんなそう言うってね」
DQN「俺はな、純粋に山田ちゃんのことが好きなの、断じてストーカーとかそういうんじゃないわけ。わかる?純愛と書いてピュアラブ」
俺「ボフッ」
DQN「てめ、何笑ってんだよ」
俺「いや、最近セキがちょっと……ボフッボフ」 - 15 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:55:34 ID:7QO3wPzXs
- DQN「あー!何度も言わせんなよ!!好きな女子の家が知りたいなんてのは男子だったら普通だろうが。そんなんストーカーって言わねえんだよ」
委員長「……DQNくんは山田さんと会うの昨日が初めてだよね?それなのにもう好きになったの?」
DQN「フン、恋に時間は関係ねえんだよ!これは運命なんだよ!一目惚れと書いてデスティニーなんだよ!!」
俺「ブフォッ!!」
DQN「てめ!きったねえな!!マスクしてこいよ」
俺「ああ、うん、風邪引いたかもしれん、ボフボフ」
委員長「……一目惚れか、そういうことがあるんだね。」
DQN「委員長はお子様だから、そういうのはまだ早いかもな」
委員長「一目惚れってどうしたらわかるのかな?」
DQN「俺はな、あの胸を一目見た瞬間にピーンときたね!ああ、こいつしかいないって!!」
委員長「ああ、あのおっぱいなら仕方ないね」
俺「ブホッゴホッゴホッ」 - 16 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:56:08 ID:7QO3wPzXs
- DQN「なんだよ、委員長も山田ちゃん狙いか?お?」
委員長「ううん、僕は別に好きな女子とかいないから」
DQN「つーかおまえ、おっぱいってwww声大きすぎるだろwww」
委員長「(おっぱい)」
DQN「ナニ声ひそめて言ってんだよwwww」
委員長「DQNくんが大きすぎって言ったから」
DQN「たしかに山田ちゃんの胸は大きいけども、大きすぎるってことはないと思うぞ」
委員長「?」
DQN「?」
俺「ボフッ」 - 17 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:56:26 ID:7QO3wPzXs
- 委員長「DQNくん、山田さん狙いだってさ」
俺「咳き込んでたけどちゃんと聞いてたよ」
委員長「……俺くんはそれでいいの?」
俺「……」
委員長「俺くんの初恋だったんじゃないの?山田さん」
俺「そんなんじゃないよ」
委員長「……」
俺「……ホント、そんなんじゃないからさ」
委員長「ごめん」
俺「なんで委員長が謝るんだよ。ほら、宿題今のうちに済ましとこうぜ」
委員長「……」 - 18 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:56:52 ID:7QO3wPzXs
- 昼休み 教室にて
おしゃれ番長「昨日は放課後手伝えなくってごむぇんね~!わたしたちぃ、ど~しても部活抜けられなくって」
山田「ううん、気にしないで」
おしゃれ番長「え~ヤマチー超優し~い~!ねえ、ヤマチーもいっしょに部活しない?絶対楽しいよ」
山田「いまさら入ってもみんなに迷惑かけると思うから……」
おしゃれ番長「そんなことないよぅ。あ、でもやっぱりスポーツは経験者じゃないと辛かったりするよね~。ヤマチー北海道で何部入ってたの?」
山田「……ケート部に」
おしゃれ番長「毛糸部?手芸部みたいな感じ?ハハ、似合う~」
山田「あ、毛糸部じゃなくて……」
おしゃれ番長「みんな~、ヤマチー北海道で毛糸部に入ってたんだって!」
女子A「なにそれwあったかそうwwww」
女子B「セーターとか編むの?」
女子C「なんか北海道っぽいね~」 - 19 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:57:12 ID:7QO3wPzXs
- おしゃれ番長「ねえ、それならさ、ヤマチー文化部に入るのがいいと思わない?」
女子A「!それいいねぇ、超お似合い」
女子B「ウチは手芸部ないけど文化部でそういう活動してるらしいよ!」
女子C「みんな部活入らなきゃいけないんだからそうするといいよ!」
おしゃれ番長「じゃあヤマチーの部活は文化部で決定~!!さっそく申し込みにいこ、ねっ!」
山田「あっ……」 - 20 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:57:28 ID:7QO3wPzXs
- 委員長「聞いてた?」
俺「何を」
委員長「女子たちの会話」
俺「……なんとなく」
委員長「僕ああいう会話聞いてると鳥肌立っちゃう、ホラ」
俺「そこ、連立方程式間違えてる」
委員長「あ、ほんとだ。代入するのは――」
俺「せっかく委員長ヅラしてるんだからもうちょっと勉強できるようになれよ」
委員長「僕は委員長ヅラしてるんじゃなくて本物の委員長なんだけど」
俺「俺が言ってるのは『委員長ぶってる』ってことじゃなくて『委員長みたいな顔してる』ってこと」
委員長「どんな顔?」
俺「そんな顔だよ」
委員長「へへへ。あれ?なんの話してたんだっけ?」
俺「……連立方程式の話だよ」 - 21 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:57:46 ID:7QO3wPzXs
- 夜 自宅にて
母「ね~、山田ちゃんと何か話せた?」
俺「母さんには関係ないだろ」
母「関係ないことないでしょ、お隣さんなんだから」
俺「I said "it's none of your business."」
母「フッ、My job is your mother, you know?」
俺「……」
母「山田ちゃんのお母さんからもよろしく言われてるんだから仲良くしなさいよ」
俺『仲良くするもなにも、まだひとこともしゃべってないんだけどな』 - 22 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:58:07 ID:7QO3wPzXs
- 翌朝 教室
DQN「なあ、宿題忘れたから代わりにやっといて」
俺「ノート貸すから自分で写しなよ」
DQN「あん?俺大事な用があるからちょっと時間無いんだわ」
俺「大事な用?」
DQN「おまえには関係ねぇよ」
俺「It's none of my business.」
DQN「イミフwwwなにカッコつけてんだよ、早くやれよ」
俺「……」
DQN「ちゃんと俺の筆跡でかけよ!」
俺「……」 - 23 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:58:23 ID:7QO3wPzXs
- 委員長「オッハー!何してるの?」
俺「DQNの宿題」
委員長「うわ、汚い」
俺「汚いノートだろ?字なんだぜ……これ」
委員長「たっちゃん……」
俺「南ちゃんかよ、てかよくわかったな」
委員長「浅倉南は上杉達也を世界で一番愛しています」
俺「逆、逆」
委員長「なにもたっちゃんがそんなことやらなくてもいいんだぞ!」
俺「俺の中の南ちゃんが腐るからやめて」
委員長「なにも俺くんがDQNくんの宿題やらなくてもいいじゃん」
俺「なんか大事な用があるんだと。ほら、机に向かってなんか書いてる」 - 24 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:58:45 ID:7QO3wPzXs
- 委員長「DQNくんオッハー」
DQN「今大事な用あるから話かけんな」
委員長「大事な用?」
DQN「あ、そうだ委員長。『はいけい』って漢字でどう書く?」
委員長「『背景』だよ」
DQN「ありがとな、もういいよ」
俺「あいつ何してた?」
委員長「たぶん手紙書いてた」
俺「手紙?あいつが?」
委員長「それもけっこうあらたまった感じのやつ」
俺「そんなん書く時間があるなら自分で宿題写せよな」
委員長「もしかしたら、ラブレターかもね、アレ」
俺「は?それこそあいつらしくないだろ。なんでそんなもんを」
委員長「まあ昨日あれだけ山田さんのこと好き好き言ってたし」
俺「……」
委員長「便せんがピンクだったし」
俺「おとめかよっ」 - 25 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:59:30 ID:7QO3wPzXs
- 同じく朝、教室にて
女子A「山田ってさぁ、超ウザくね?」
女子B「ウザいよね~。転校生だからって目立っちゃってさ」
女子C「クラスの男子に媚び売るとかあり得なくない?」
おしゃれ番長「おっはー、みんな何話してんの?」
女子A「あ、オシャピーおっはー。」
女子B「山田が調子こいてるねってみんなで話してたとこ
女子C「オシャピーも、山田ウザいと思うよね?」
オシャピー「う~ん、わたしわぁ……」
俺『わたしは?』
オシャピー「死ねばいいと思うな?」
俺『ええっ?』 - 26 :ほのぼのさん 12/06/24(日)07:59:54 ID:7QO3wPzXs
- オシャピー「転校生だから優しくしてあげたのに、あの態度ってあり得なくない?」
女子A「マジあり得ない。早く死んでくれないかな、あの茶髪w」
女子B「てかあの髪色ダサすぎじゃね?」
女子C「ダサいよね~!なのに男子に色目使ってさ、まじ死んどけwww」
オシャピー「シッ」
山田「お……おはよ」
オシャピー「あ~♪ヤマチーおっはー!今日も髪きれいだね」
山田「そ、そんなことないよ!おしゃれ番長さんの髪の方がきれいだよ!」
オシャピー「も~!そんな堅苦しい呼び方ヤメテよ。オシャピーでいいよん」
山田「そんな……いいの?」
オシャピー「いいにきまってるじゃん、私たち友達でしょ?」
山田「うん、そうだね……ありがと、オシャピー」 - 27 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:00:27 ID:7QO3wPzXs
- 昼休み 渡り廊下
俺「女子ってホント怖いな……」
委員長「俺くんも聞いてたんだ、朝のアレ」
俺「山田、あんなんでこの先大丈夫かな……」
委員長「うーん……」
俺「なあ、委員長権限で学級会議開けないか?」
委員長「開けるけど、やめといた方がいいと思うよ」
俺「なんでだよ?あんなの放っとけないだろ」
委員長「そうだね。でも会議なんて開いても意味ないんだよ」
俺「なんで!?」
委員長「山田さんだけど、あれ……いじめられてる自覚あると思う?」
俺「……あ」 - 28 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:00:49 ID:7QO3wPzXs
- 委員長「仮にいじめられてる自覚があったとしても、証拠がなくちゃ会議は開けないし」
俺「俺たちの目撃証言は?」
委員長「そんなのオシャピーにかかれば
『私たちぃ、ちょっと喧嘩しちゃったんですぅ……でも、でもね!ヤマチーは悪くないの、悪いのは全部私……!あんなこと言ってホントにごめんねヤマチー』
とか言ってごまかすんじゃないかな」
俺「……激似」
委員長「へへ……。それに、オシャピーに睨まれたくない女子は何も言わないだろうしね」
俺「たしかに……。八方ふさがりだな、それじゃあ」
委員長「だから僕たちにできることなんて、今は何もないんだよ……」 - 29 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:01:13 ID:7QO3wPzXs
- 委員長「あれ?あそこにいるのDQNくんじゃない?」
俺「別にめずらしくもない」
委員長「となりに山田さんもいるけど?」
俺「!?」
委員長「あ、手紙渡した!やっぱりラブレターだったんだ、朝のアレ」
俺「……」
委員長「あ、DQNくんが逃げた。
『山田ちゃん、手紙書いたから読んでくれ』
『え?これってひょっとして……』
『またな、俺のデスティニー、アディオス!』
なんてね!」
俺「……」
委員長「あれ?面白くなかった?けっこう似てると思ったけど」
俺「委員長のやる女子モノマネは気持ち悪いくらい似てるよ……」
委員長「やった(女声)」
俺「気持ち悪いからやめれって」 - 30 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:01:33 ID:7QO3wPzXs
-
放課後 教室
女子A「あれ?山田走って出てっちゃった」
女子B「部活いったんじゃない?ほら、文化部」
女子C「文化部(笑)つくづくあの子にお似合いwww」
オシャピー「生徒はみんな『体育系の部活動』に入らなきゃ行けないのに、自分から害児集団の『文化部』に行くなんて、よっぽど自分がおかしいって自覚してるんだね~」
女子A「言えてる~ww」
女子B「てか昨日オシャピーあの子に普通に文化部すすめてたよね」
女子C「まじウケたwwww」
オシャピー「害児は害児同士集まってた方が楽しいだろうと思って。わたしってほら、と~っても優しいからwwww」 - 31 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:01:53 ID:7QO3wPzXs
-
夜、自宅
俺「お、この魚おいしいね。どうしたの?」
母「となりの山田さんにいただいたの」
俺「ああ、山田のおばさん料理上手だったもんね」
母「それはさりげに母に喧嘩売ってるのかしら?」
俺「もちろん母さんの料理が一番おいしいけどねー(棒読み)」
母「まあねー♪あ、でもこの魚持ってきたのは山田ちゃんよ」
俺「!?」
母「ずいぶん可愛くなってたわね~。ねえ、あんた山田ちゃんとつきあったら?」
俺「ブフォッ?!」
母「やだ、汚い。ご飯粒飛ばさないで」
俺「……山田、何か言ってた?」
母「『おんなじクラスになれてとってもうれしいです。これからもよろしくお願いします』ってさ。よっ、色男www」
俺「……母さん、モノマネへたくそだね」
母「うるさいwww黙って食えwwww」 - 32 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:02:19 ID:7QO3wPzXs
-
翌朝 教室
委員長「俺くんオッハー」
俺「おう」
委員長「あれ?なんか疲れた顔してるよ、大丈夫?」
俺「ああ、平気だ。ちょっと眠れなかっただけだから」
委員長「……ひょっとして、昨日山田さんが告られてたから?」
俺「べ、別にそんなんじゃ……」
委員長「ふうん……ねえ、山田さんもうDQNくんに返事したかな?」
俺「さあね……たぶん、まだじゃないか?昨日は放課後一目散に帰ったみたいだし」
委員長「じゃあ今日返事するんだ!どうなるんだろうね」
俺「……」 - 33 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:02:25 ID:JYbLqkE5U
- オシャピーとおしゃれ番長は同じ人?
- 34 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:02:44 ID:7QO3wPzXs
- 同じ人だよ
- 35 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:02:52 ID:7QO3wPzXs
-
放課後 教室にて
女子A「あ、あのヤ◯マン、また教室走って出てった」
女子B「ヤ◯マン?」
女子C「山田のことだよ。あいつ向こうで何人も男作ってたんだって」
オシャピー「そのうえ、子供を堕ろしたこともあるんだって」
女子A「うわ、サイテーwww」
女子B「ねえ、そのヤリマンってどういう意味?」
女子C「〈ヤリ〉やすい〈マン〉コってことらしいよ」
オシャピー「そのヤ◯マンだけど、なんかもうクラスの男子に告ったらしいよ」
女子ABC俺「マジで!?」 - 36 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:03:49 ID:7QO3wPzXs
-
オシャピー「……ちょっとぉ、俺くーん。女子の話盗み聞きとかひどくない?」
俺「あれだけでかい声で話しといて盗み聞きとか」
オシャピー「あ、そうだ。ワタシ的にはぁ、男子にも聞いといてもらったほうがいいとおもうんだけど、みんなどう思う?」
女子ABC「さんせー」
オシャピー「ねえ俺くん、転校生の山田いるじゃん?あいつ北海道で何人も彼氏いたんだって!」
俺「中3なんだから別に彼氏ぐらいいてもおかしくないだろ」
オシャピー「ウン……それがさ……相手がけっこう年上だったみたいだよ?いわゆる援交ってやつ?」
女子A「それ彼氏じゃなくてパパさんじゃんwww」
女子B「わたしならお金もらってそんなことするなんて絶対ムリー」
女子C「オシャピー、それであの子クラスの誰に告ったの?」
オシャピー「DQNくんに告白したみたいだよ」
女子C「DQNくん!?うそ、ほんとに?なんで!?どうして!!意味わかんない!
は?なにやってんのあいつ!?」 - 37 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:04:09 ID:7QO3wPzXs
- オシャピー「え、えっとさ。昼休み山田さんがDQNくんに手紙渡したんだって」
女子C「ありえない!あいつ何考えてんの?まだ転校してきて3日だよ?」
俺「あのさ、別にそれラブレターとは限らないんじゃない?」
女子C「はあ!?ラブレター以外になにがあるっていうの!?」
俺「や、すぐには思いつかないけど……」
女子C「ほら、やっぱりラブレターだよ!なにしてんだよあいつ、殺してやる殺してやる殺してやる!!」
オシャピー「ちょ、ジョッシー(女子C)落ち着いて!」
ジョッシー「あ、DQNくん昼休みからいない……ヤ◯マンのせいでヤ◯マンのせいでヤ◯マンのせいで――」
オシャピー「お、落ち着いてジョッシー!DQNくんはちゃんと断ったから!」
俺「え?」
ジョッシー「……ホントに?」 - 38 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:04:28 ID:7QO3wPzXs
-
オシャピー「わたしが聞いた話だとDQNくんその場で手紙読んで断ったらしいよ」
ジョッシー「じゃあ……なんで午後の授業いなかったの?」
オシャピー「それは……たぶん同じ教室にいるのが気まずかったからじゃない?DQNくん普段から授業さぼったりするし……」
ジョッシー「DQNくんなんて断ったの?」
オシャピー「さあ、それはわたしも聞いてないけど」
ジョッシー「そっか……DQNくん断ったんだ。当然だよねあんなヤ◯マン……」
オシャピー「……そういうわけであの子やばいから、俺くんたちもあんま仲良くしない方がいいよ。近づくと病気移されちゃうかもしれないし」
俺「病気?」
オシャピー「ほら、そういうこといっぱいやってると病気もらっちゃうらしいじゃん?保健の授業で習わなかった?エイズ、だっけ?」
俺「……」
オシャピー「ちなみにわたしは汚れを知らない麗らかな――ちょ、俺くん、どこ行くの?」 - 39 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:04:49 ID:7QO3wPzXs
- 夕方 自宅
母「あれ?今日は早かったね。部活は?」
俺「調子悪いから休んだ」
母「そういやあんた朝から顔色悪かったからね。熱は?」
俺「ない」
母「そう……なんか食べたいものある?」
俺「食欲無い」
母「あんたが食欲無いって相当だわ……寝てなくて大丈夫?」
俺「うん、ちょっとテレビ見てる」
母「そう?母さんちょっと買い物行ってくるからじっとしてなさいよ!なんかほしいものある?」
俺「なんもない、いってらっしゃい」 - 40 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:05:08 ID:7QO3wPzXs
- PM4:00 居間
俺「そっか、この時間にやってるんだっけ……昔はこのソファーであいつらといっしょに見てたっけな……」
『――どっちだろう?泣きたくなる場所は……』
俺「二つ○を つけて ちょっぴり 大人さ…」
俺「あ~幻海のばあさんかわいいな……」
『目を覚ませ!覚ましてくれ』
俺「あれ?桑原ってこんなかっこよかったっけ?」
俺「あーやっぱ幽白面白いわー」 - 41 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:05:31 ID:7QO3wPzXs
-
『手紙が届いたら 封を切らずに そっとしまっておいて……』
俺「このエンディング名曲すぎるだろ。なんか涙出てきたし……」
ピンポーン……
俺『誰だよこんなタイミングで……。母さんならインターホン押さないよな』
ピンポーン ピンポーン ピンポーン……
俺『わかったよ、でりゃいいんだろ、でりゃ……』「ハイ!」 - 42 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:05:48 ID:7QO3wPzXs
- 委員長「あ、委員長ですけど俺くんいらっしゃいますか?」
俺「あれ?委員長部活は?」
委員長「あ、俺くんだったのか。声の感じが怖かったからおじさんがいるのかと思った」
俺「……インターフォン越しもなんだ、上がれよ、開いてるから」
委員長「うん」 - 43 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:06:12 ID:7QO3wPzXs
-
自室
委員長「俺くん声変わりしてからおじさんの声に似てきたね」
俺「そうかな……俺にはよくわかんないけど、てか委員長部活は?」
委員長「さぼっちゃったwwww」
俺「さぼっちゃったっておま――」
委員長「俺くん1人で帰ったって聞いて心配になって追いかけてきたんだ」
俺「別に心配しなくても大丈夫、たんなる仮病だから……」
委員長「ホントに?」
俺「おう、なんか突然幽白見たくなってさ……。部活やってたら見れないだろ?」
委員長「ホントに?」
俺「おう。桑原が前よりカッコ良く見えてさ、なんかこう、俺もちょっと大人になった気がする?みたいな……」
委員長「……ホントに?」
俺「……おう」
委員長「じゃあ、俺くんはさ、
な ん で 泣 い て た の ? 」 - 44 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:07:48 ID:7QO3wPzXs
-
俺「え、委員長、おま、見てたの?え?」
委員長「見てないよ。見てないけどさ、わかるよ。俺くん目真っ赤だもん」
俺「……」
委員長「頬にリビングのソファーのあとがついてる。……涙が横に流れたあとがあるってことは、ソファーに横たわりながら泣いてたってことだよね」
俺「ちょ、委員長、コナンの読み過ぎだろ」
委員長「怒ってたように聞こえた声は泣いてたんだね」
俺「ち、違うって」
委員長「正直になりなよ!」
俺「正直に言うから落ち着けって!」 - 45 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:08:13 ID:7QO3wPzXs
-
委員長「じゃあ部活休んだのはホントに調子悪いからで、泣いてたのは久々に聞いたエンディングに感動したからってこと?」
俺「怒ってたのはせっかくのエンディングを邪魔されたからだ」
委員長「……ごめんね」
俺「……気にするなよ、俺の心配してきてくれたんだろ?」
委員長「うん……正直に話してくれてありがとう」
俺「別に礼を言われるほどのことじゃないけどな」
委員長「ううん、正直に話せるってことは僕が俺くんに信頼されてるってことだよね?」
俺「うん?まあ、委員長ほど信頼できる友達もいないな」
委員長「それってさ……十分お礼に値するよ」
俺「そうか?」
委員長「だからさ……」
俺「?」
委員長「俺くんが抱えてる悩み、僕にもわけてよ…」 - 46 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:08:59 ID:7QO3wPzXs
-
俺「べ、別に悩みなんてそんな大げさなものじゃ……」
委員長「今まで部活休まなかった人が体調悪くするようなことでも?」
俺「……」
委員長「山田さんと……なにかあったの?」
俺「ん?山田とはなにも無いけど」
委員長「あれ?僕の勘はずれちゃったかな?」
俺「でも、関係ないこともない……かな」
委員長「複雑だねww」
俺「ああww」
委員長「部活サボって時間はいっぱいあるからさ、いくらでも話聞けるよ」
俺「ハハハ……。その、さ――」 - 47 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:09:19 ID:7QO3wPzXs
-
委員長「――ふ~ん……じゃあ、ちょっと話を整理してみよっか?」
俺「おう」
委員長「まずは昨日の昼休み、DQNくんが山田さんに手紙を出しました」
俺「そこから?」
委員長「うん。それがなにかははっきりしないけど、俺くんはそれがラブレターだと思うんだよね?」
俺「おう、っていうか委員長がはじめにそう言ったんじゃなかったっけ?」
委員長「そうだっけ?まあ、気にしない、続けるよ」
俺「どうぞ」 - 48 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:09:36 ID:7QO3wPzXs
-
委員長「家に帰ると山田さんのもってきた魚の煮付けがあった。そしておばさんの話では山田さんはまだ俺くんのことをおぼえていて、クラスメイトとしてちゃんと認識している」
俺「おう」
委員長「そして俺くんは『認識されてるのになぜ山田は話しかけてこないのだろう?』とか『DQNに告白されて山田はどう返事をするのだろう?』とか考え出して一睡もできなかったと」
俺「そんなことは言ってない」
委員長「で、今日の昼休み」
俺「無視かよ」 - 49 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:11:07 ID:7QO3wPzXs
- 委員長「昼休み、山田さんはDQNくんに手紙で返事をした。」
俺「オシャピーの話を聞く限りな」
委員長「そこなんだよね、ポイントは。オシャピーたちってさ
山田さんのことはっきり言って嫌ってたでしょ?
だったら根も葉もない噂流すくらいのこと平気ですると思わない?」
俺「まあ、たしかに。でも昨日の今日で手紙で告白したなんて話が出てきたんだから少しは信憑性ないか?」
委員長「たしかにね。でもそこから読み取れるのは『山田さんがDQNくんに手紙を渡した』
ってことくらいじゃない?もしラブレターの返事だとしてもイエスかノーかまではわからない」 - 50 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:11:56 ID:7QO3wPzXs
- 俺「俺の考えでは山田はイエスって答えたと思うんだ」
委員長「どうしてそう思うの?」
俺「DQNはあんなだけど性格知らなければカッコ良く見えるだろうし、転校したてで不安なところに優しく声をかけられたら『つきあってみてもいいかな』ぐらい思うんじゃないだろうか?」
委員長「まあ、あり得ない話ではないね。でも、だったらどうしてDQNくんは自分からそれを辞退するようなこと言ったと思う?」
俺「たぶん……山田が手紙に豊富な性体験のことを書いたからだと思う」
委員長「………………はぁ?」 - 51 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:12:49 ID:7QO3wPzXs
-
俺「『わたしはそういうことヤリ慣れてるからきっとDQNくんも満足してくれると思います』
とか書いちゃったんだよ、きっと。でもさ、DQNって童貞じゃん。
だから初めては処女を相手にしたいとか思ってたんだよ。
それが突然のカミングアウトでもろくも崩れ去ってやっぱりやめようって断った。
そのシーンを誰かが見てて『山田が告白してDQNにフラれた』なんて勘違いがうまれたんだよ。
これならヤ◯マンって噂が出てきたことも納得できないか?」
委員長「納得……できるわけないだろが!! 0点!!!!」 - 52 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:13:54 ID:7QO3wPzXs
-
俺「委員長なに怒ってるんだよ」
委員長「怒ってないよ。ただあきれてる。俺くんが噂を鵜呑みにしてそれをネガティブな想像で再構築してることにひたすらあきれてる」
俺「?」
委員長「なんでそんなにネガティブなのさ。僕の知ってる俺くんはそんなんじゃないよ」
俺「ん~、昨日は徹夜だったからな。少しマイナス方向に考えてしまうのかもしれない…」
委員長「それだよ!っていうかホントに徹夜したんだ!
そりゃ調子も悪くなるよ、何やってんのさ」
俺「面目ない」
委員長「今日はしっかり寝るんだよ、いい?」
俺「おう」
委員長「まったく、俺くんのせいで話がそれちゃったよ」
俺「俺のせい……?」 - 53 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:14:33 ID:7QO3wPzXs
-
委員長「いい?じゃあ山田さんの出した手紙がお断りの手紙だと仮定するよ」
俺「なんで?さっきも言ったけど断る理由が無いじゃん」
委員長「あるよ!いっぱい!」
俺「例えば?」
委員長「例えば…………他に、好きな人がいるとか」
俺「ああ、なるほど、考えもしなかった。まだ北海道に彼氏がいるかもしれないもんな」
委員長「……」
俺「?」 - 54 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:15:11 ID:7QO3wPzXs
-
委員長「続けるよ。はい、DQNくんはフラれてしまいました。このあと彼はいったいどうするでしょうか?」
俺「……あ、だからDQNは午後の授業いなかったのか?」
委員長「そうかもしれないね。はい、もっとDQNくんになりきって考えてみて!
ふられたDQNくんはこのあとどうする?」
俺「あいつになりきるなんてなんか嫌だな」
委員長「つべこべ言わない」 - 55 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:16:14 ID:7QO3wPzXs
- 俺「はいはい
俺はDQN。俺には気になってる女がいる。山田という名前の転校生だ。
あか抜けた感じでかなりのデカパイ。俺のタイプどストライクだ。
会った瞬間デスティニーを感じちまったぜ。だからさっそく俺は彼女にラヴレターを出したんだ。
俺の熱い気持ちを手紙に込めたぜ」
委員長「プ……」
俺『おっ?ウケてる?』 - 56 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:16:56 ID:7QO3wPzXs
-
「今日は手紙の返事をもらうことになっている。そしたらなんと彼女も手紙を書いてきた。
なんていじらしいんだマイハニー!えっと、なになに『お友達からはじめましょう?』
え、これは何語だろう?頭が悪いから何が書いてあるのかさっぱりだぜ!
さっそく帰って解読してやるー』
委員長「……パーク・マンサー意識してる?」
俺「おう、よくわかったな」
委員長「だめ、やりなおし」 - 57 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:17:18 ID:7QO3wPzXs
-
俺「ええ?」
委員長「山田さんの『お友達からはじめましょう』ってのはありそうだけど、DQNくんがバカすぎるでしょ」
俺「いや、あいつはそんなも」
委員長「それにDQNくんはもっとプライド高そうじゃないと」
俺「プライドねえ、じゃあ――」 - 58 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:18:04 ID:7QO3wPzXs
-
俺
なになに『お友達からはじめましょう?』……だと……
あの女!この俺様をフッただとぉ!?転校生の分際で生意気な!
この場で始末してくれるぅ
委員長「もちろん始末できません、さてどうする?」
俺
『さもなくばこの事実を闇に葬り去るしかない!幸い誰もいないようだ』
委員長「ところが同じクラスのオシャピーがその様子を陰から見ていました」
俺「オシャピー?
『こうなればオシャピーを始末するしかない』
委員長「やっぱり始末できません、さてどうする?」
俺
『どうにかしてこの場を言い繕わなくては!……やあ、オシャピーこんなところでどうしたんだい?』
委員長
『さっき山田さんがあんたに手紙を渡してたみたいだけどあれなに?』(女声・激似)
俺
『あ、あれかい?なんか山田ちゃんが俺のこと好きみたいで告白してきたんだよ』
委員長
『へえ、だったらあんたたち両思いじゃない』
俺
『あ……でも……俺、断ったから』
委員長
『なんで?アンタあんなに山田さんにアタックしてたじゃない』
俺
『いや、えーっと、話してみたら山田ちゃんかなり男性経験豊富みたいでさ。俺、付き合うなら汚れの無い麗らかな子がいいからさ』
委員長
『男性経験豊富ってどういうこと?もっと詳しく教えてよ』 - 59 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:19:07 ID:7QO3wPzXs
-
俺「……あぁ」
委員長「わかった?」
俺「DQNはプライド守るために自分がフッたって嘘ついたんだ」
委員長「そうかもね」
俺「でもそれだとムリが出るから山田がヤ◯マンだって嘘ついたんだ」
委員長「ありえるかもね」
俺「それを聞いたオシャピーはいじめる材料ができたと大喜び!」
委員長「あ、ちょっと待って」
俺「何?」
委員長「たしかに手紙の受け渡しの瞬間をオシャピーが見ていてもおかしくはないけど、さっきのはあくまでイメージで、オシャピー以外の子が目撃してた可能性は十分にあるんだからね」
俺「たしかに」 - 60 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:20:18 ID:7QO3wPzXs
- 委員長「話を今日の昼休みに戻すよ」
俺「了解」
委員長「DQNくんはフラれた事実を隠すため、山田さんがヤ◯マンで自分からフッたと嘘をつきました。
その嘘はどういう経路でかオシャピーにまで行き渡り、放課後には俺くんにまでその噂が流れてきました。」
俺「全ての元凶はDQNのやつか……」
委員長「その噂はよりによって、山田さんのことをいじめているオシャピーから俺くんに吹き込まれました。
そして俺くん、俺くんは最初『彼氏なんて中3ならいてもおかしくない』っていったんだよね?」
俺「まあ、そんなこといったかな」
委員長「そこでオシャピーは考えました
『たしかにおかしいことじゃないかもしれない……。そうだ!相手がキモいデブのおっさんってことにして
そのうえ援交してたってことにすれば、さすがに俺くんも引くんじゃないかしら』
ってね」 - 61 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:21:39 ID:7QO3wPzXs
-
俺「そういえばあいつら、最初は援交の話なんてしてなかったような」
委員長「こうして『山田さんがDQNくんをフッた』という事実は
2人の悪意ある人間を介すことにより『DQNくんが山田さんをフッた』
『山田さんは北海道で援交してたヤ◯マンだ』などという噂に変わってしまいました」
俺「ああ……」
委員長「その根も葉もない噂を信じた俺くんは茫然自失。
休んだことのない部活を休み、自宅で涙を流していたところ、
信頼できる友達がやってきて、その噂がでっちあげだと解明してくれました。
そして現在に至る――と
俺「さてはコナンだけじゃなく金田一も読み込んでるな」
委員長「ちゃかさないで」
俺「おう」
委員長「で、俺くんの今の気持ちは?」
俺「……………………穴があったら入りたい、です」 - 62 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:22:20 ID:7QO3wPzXs
- 委員長「まあ、今は俺くんの気持ちなんてどうでもいいや」
俺「え、それはちょっとひどくね?」
委員長「今回のことで一番ショックを受けたのはだれ?」
俺「……俺?」
委員長「そうかもしれないけど……じゃあ、今回のことで一番ショックを受けることになるのは誰!?」
俺「山田か――」 - 63 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:22:56 ID:7QO3wPzXs
-
翌朝、となりの社宅:山田家前
俺『俺くんがちゃんと山田さんのフォローしなよ!か……
そんなこと言うなら委員長がやればいいのに……
まぁ、もらったサカナもうまかったし、隣りの家だから俺がやるけどさ…』
山田「いってきまーす」
俺『やばい、来た!!
……ああ、もう……』
俺「……山田!」
山田「俺くん!?」
俺「おう……その……なんだ」
山田「おはよう」
俺「……おはよ」 - 64 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:23:14 ID:7QO3wPzXs
-
俺「どうだ……学校は……慣れたか?」
山田「うん、転校には慣れてるし」
俺「そうか……あの時も突然だったもんな」
山田「ごめんね」
俺「べ、べつに気にしてないから謝るなよ」
山田「ごめ……ありがとう」
俺「や、お礼言われても困るんだけどな」
山田「そうだね、フフフ」 - 65 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:23:39 ID:7QO3wPzXs
-
俺「あ、お礼なら俺が言わなくちゃ」
山田「?」
俺「サカナうまかった、ごちそうさま」
山田「ホント?」
俺「あんなにうまいサカナ食べたのひさしぶりだ」
山田「よかった……」
俺「……」 - 66 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:24:10 ID:JYbLqkE5U
- 僕は友達が少ない
- 67 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:24:15 ID:7QO3wPzXs
-
俺「……あのさ……山田、委員長のこと覚えてる?」
山田「委員長?もちろん覚えてるよ」
俺「え?でもあいつ山田が覚えてないかもって」
山田「……」
俺「ほら、同じクラスで背の小さい」
山田「ぱっと見女の子みたいな背の低い子だよね
小学生の頃から全然変わってないからすぐわかったよ」
俺「じゃあなんで『はじめまして』なんて――」 - 68 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:24:30 ID:7QO3wPzXs
-
山田「あ、そろそろ大通りだよね。2人いっしょに登校したら目立っちゃうよ」
俺「おう……」
山田「私はちょっとここで時間潰してくから俺くん先行ってて」
俺「や、でも」
山田「それと教室ではあんまり話さない方がいいと思う」
俺「なんで――」
山田「私たちもう中3なんだよ」
俺「そりゃそうだけど」
山田「俺くん行かないなら私先にいくから。じゃあね!」
俺「……………………」 - 69 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:25:04 ID:7QO3wPzXs
-
委員長「じゃあろくに話もできてないんだ」
俺「あ、でも山田お前のことはちゃんと覚えてたよ」
委員長「へー、なんて?」
俺「あの時のままだからすぐわかったって」
委員長「失礼な、僕だって少しは大きくなったんだよ」
俺「山田はそれ以上に大きくなったけどな」
委員長「……いじわる」 - 72 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:26:25 ID:7QO3wPzXs
-
昼休み
男子A「おまえ転校生に告られたってマジかよ!?」
DQN「ちょ、声がでかいって」
男子B「マジかよ、やるな~。で、もうエロいことしたの」
DQN「バーカ。あんなやつ俺が相手にするわけないじゃん」
男子C「え、でもDQNあんなに転校生にやさしくしてたじゃん」
DQN「それとこれとは話が別っていうか」
俺「……なあ、それ逆だろ?」
DQN「あぁん!?」
俺「DQNが山田さんにラブレター渡したんだろ」
DQN「バッ、バカなこと言うなよ!証拠でもあんのかよ?」
俺「証拠か……この前書いてた手紙がそうじゃないのか?」
DQN「あ、あれは……その……ジャンプの懸賞に応募してただけで……
っていうか何なれなれしく話しかけてんだよ!うぜえ!!」 - 75 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:28:12 ID:7QO3wPzXs
-
5時間目
教師「それじゃあこの問題を……山田さん、できる?」
山田「すいません、教科書がなくて……」
教師「なんだ、まだ届いてないのか。おい、だれか山田さんに教科書見せてあげて」
……
教師「なんだおまえら、まだ仲良くなってないのか。仕方ない、今日は先生の教科書見せてあげるから、早めに教科書買っておくんだよ」
山田「……ハイ」
教師「じゃあ代わりにこの問題を伊藤……お、チャイムか
教科書のここからここ、宿題にするから明日までにちゃんとやってくるように
日直!」 - 77 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:28:48 ID:7QO3wPzXs
-
放課後
俺「なあ」
委員長「ん?」
俺「山田さ、この前の授業でちゃんと教科書持ってたよな」
委員長「……さあ?僕はそこまでしっかり見てないから。
あ、でもこの前の手続きのあとにちゃんと買ったはずだよ」
俺「だよな…… ひょっとして……いじめか?」
委員長「あり得るね。近くの女子が誰も教科書貸してなかったし、
オシャピーグループがニヤついてたし。」
俺「どうにかしてやりたいけど学校で話しかけるなって言われてるしな……」
委員長「……俺くん、ここんとこずっと山田さんの話ばかりだね」
俺「そりゃさ、ほっとけないだろこういうの。委員長だって俺がいじめられてたら助けてくれるだろ?」
委員長「当たり前じゃん。……そっか、そういうことなら」
俺「お、何かいい手が?」
委員長「病気が1日で治るとは限らないよね」
俺「?」 - 78 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:29:23 ID:7QO3wPzXs
-
夕方 山田家前
ピンポーン
山田「……はい」
俺「俺と言いますが山田さんいますか?」
山田「え、俺くん!?」
俺「おう。今朝はあんまり話せなかったから、その、えーっとだな」
山田「ちょっとまってて、すぐ片付けるから!」 - 79 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:29:53 ID:7QO3wPzXs
-
――委員長「山田さんはあくまで「学校で」話しかけないでっていったんでしょ?だったら家に行けばいいじゃない。今日も1人で帰っちゃったみたいだし」
――俺「いや、でもそんな突然。部活もあるし」
――委員長「勝手知ったるとなりの家でしょ。顧問には僕から言っておくからさ」
――俺「行って何話せっていうんだよ」
――委員長「うーん、なんでもいいと思うよ。それこそ昔みたいに一緒に幽白みるだけでもさ」
山田「……いらっしゃい、待たせてごめんね。どうしたの突然?」
俺「あのさ……その……………………幽白みないか?」 - 80 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:30:27 ID:7QO3wPzXs
-
俺「やっぱ幽助は強いな」
山田「でも昨日まで相手チームに苦戦してたんだよ」
俺「たしか相手の霊気が見えなかったんだよな。俺もたまたま昨日観てた」
山田「……小学校の時はいつも俺くんちで一緒にみてたね」
俺「委員長と3人でな」
山田「……委員長とは今も仲いいんだね」
俺「ずっと同じクラスだったからなー」
山田「……私も……私もずっと同じクラスでいたかったな……」
俺「……」 - 81 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:30:47 ID:7QO3wPzXs
-
俺「なあ、山田は幽白で誰か好きなキャラとかいるか?」
山田「蔵馬と飛影」
俺「ああ、飛影と蔵馬。カッコいいよな。今回はあんまり活躍しないけど」
山田「蔵馬と飛影ね」
俺「?」 - 82 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:31:36 ID:7QO3wPzXs
-
俺「ああ、こいつ注射ででかくなるんだっけ」
山田「でもものすごく弱いんじゃなかった?」
俺「あ、CMまたぐのか………………
って、俺はなんでまったり幽白観てるんだ」
山田「でもいっしょに観ようって言ったの俺くんだよ」
俺「そうだけども。本題は、ええと…………ああ。
なんで学校で話しかけるななんて言うんだ?」
山田「だって私たちもう中3だし、お互いに成長したし……あ、俺くん声がおじさんに似てきたよね」
俺「委員長にも似たようなこと言われたよ。ってそうじゃなくて」 - 83 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:32:22 ID:7QO3wPzXs
-
山田「あ、CMの間になにか飲み物とってこようか?」
俺「山田ぁ!」
山田「ハイッ……」
俺「山田が俺たちと話さないのは、その……俺たちを巻き込まないためか?」
山田「……巻き込むって、何に?」
俺「俺……聞いたんだよ、おしゃれ番長たちが山田の陰口叩いてるの。お前、いじめられてるんじゃないのか!?」 - 84 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:32:59 ID:7QO3wPzXs
-
山田「そんな、ワタシいじめられてなんかないよ。陰口も、ほら、女子の間じゃよくあることだし」
俺「じゃあ教科書はどうしたんだよ?」
山田「後半始まるよ、観よ?……あっ」
俺「すまん、切る。でも内容知ってるからいいよな」
山田「……なんだっけ。教科書がどうかした?まだ全部そろってないんだよね」
俺「仮に全部そろってないとしても今日の授業の教科書は持ってたはずだろ?」
山田「今日はウチに忘れちゃって…… 時間割まだちゃんと覚えてなくてさ」
俺「じゃあここに持って来れるよな」
山田「……」 - 85 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:33:31 ID:7QO3wPzXs
-
俺「ウチに忘れたって今言ったよな。本当ならもって来れるよな。今日の宿題一緒に片付けよう」
山田「わかった……」ガタ
俺『ん?ほんとにあるのか?てっきりオシャピーたちに隠すか捨てるかされたと思ったんだが』
山田「宿題するならワタシの部屋でしよっか、ね?」
俺「お、おう……」 - 86 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:34:13 ID:7QO3wPzXs
-
山田「まだ引っ越しの荷物あるけど笑わないでね」
俺「おう」
俺『うわ、女の子の部屋のニオイだ。なんだこの甘い匂い
小さい頃はこんな匂いしなかったはず。やばい、興奮してきた』
山田「そっち座って」
俺「おおお、おう……。じゅ、授業はちゃんとついてけてるか?」
山田「だいたいの授業は前の学校の方が進んでたから今の所大丈夫。
なんだったらワタシが俺くんの家庭教師になってあげよっか?」
俺「結構です」
山田「means yes in that case.」
俺「It exactly means no in this case! 」
山田「あ、会話続いた~。さすが英語塾の息子」
俺「山田もちゃんと英語の勉強続けてたんだな」
山田「せっかくおばさんにいろいろ教えてもらったからね~」
俺「俺たちの中で一番成績の悪かったのにな」
山田「あ、バカにしてる。さすらいの転校少女はバカじゃやってけないよ」 - 87 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:35:19 ID:7QO3wPzXs
- 俺「……そんなに転校したのか?」
山田「4回」
俺「そんなに……」
山田「……」
俺「……今回は……今回はどれくらいこっちにいられるんだ?」
山田「ねえ、私がまたいなくなったら俺くんはさみしい?」
俺「ば、そりゃ……………………………………さみしいよ」
山田「そっか…………」 - 88 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:36:28 ID:7QO3wPzXs
-
俺「山田はもうそういうのに慣れちゃったんだろうな
さすらいの転校少女だもんな……」
山田「……れるわけ……慣れるわけ無いじゃん!!!!」
俺「!?」
山田「ワタシがどれだけさみしかったかなんて俺くんにはわからないよね!!」
俺「ちょ、おい」
山田「大好きだった学校、先生、友達と別れなきゃいけない辛さが俺くんにわかる?
わからないよね。仲良くなれたと思ったら転校、転校、転校!もう気が狂いそうだった!
でもワタシにはどうしようもない。だから割り切らなきゃ行けない!そう自分に言い聞かせてきた!
でもねそうやっていい聞かせてくうちにワタシの中の何かが腐ってくの。壊れてくの!!
ああでもこんなこと行ってもわかるはず無いよね!幼なじみの委員長とずーっと同じ街で暮らしてる俺くんには!!」
俺「わかるよ!!」
山田「!?」 - 89 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:38:24 ID:7QO3wPzXs
- 俺「たしかに全部はわからないかもしれないけど、大事な友達がいなくなる悲しみは俺だって知ってる!!小4の時だ。……山田、お前がいなくなった!!」
山田「!!」
俺「そうだよな、慣れるわけないよな、あんな心に穴が開くようにさみしいんだから。悪い、ホント無責任なこと言った。
今まで……つらかったな。ごめんな」
山田「……な、なんでおれぐんがあやまっでるの」
俺「ごめんな」
山田「おでぐんなんにもわるぐないじゃん!
わだじがいっぽうでぎにぎれだだげじゃん!
うわああああああああああん」
俺「ごめ…………おかえり」
山田「ヴ……だ……だだいま!」 - 92 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:46:00 ID:7QO3wPzXs
-
俺「うわあ、たしかにこれじゃ授業中使えないな」
山田「ねえ、このビッチってどういう意味?」
俺「えっと、たしか『あばずれ女』って意味じゃなかったかな」
山田「あばずれ?どういう意味?」
俺「さあ?俺もよくわからん」
山田「あの子たちよくこんなコトバ知ってるよね。逆に感心しちゃう」
俺「おまえなあ……。こんな陰湿なことされて黙ってていいのか?」
山田「陰湿?これならまだかわいい方だよ」
俺「……これで?」
山田「前の学校のイジメはもっとひどかったから……」 - 93 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:51:52 ID:7QO3wPzXs
- 俺「たしか、おしゃれな子がいっぱいいるんじゃなかったか?」
山田「ああ、この髪のこと?これはね、いじめに加担してしまったワタシの罪の証」
俺「罪の証?」
山田「クラスで生活してるとそのうちいくつかのグループができるじゃない?
その中で一番強いグループの子はみんな髪を染めてるんだ。
それで染めてない子たちをみんなでいじめるの」
俺「え、そんなことでいじめるの!?」
山田「いじめの原因はたいがい『そんなこと』だったりするんだよ
ワタシもね、引っ越したばかりの頃は気の合う漫研の子たちと付き合ってたんだ。
もちろん黒髪の子たちなんだけどね」
俺『まんけん?』 - 94 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:55:35 ID:7QO3wPzXs
-
山田「でね、ある日その漫研の部長がいじめの対象になっちゃってさ。
ネチネチいじめられて……
ほかの漫研の子たちはいつ自分がいじめられるか気が気じゃなかった。
そんなときワタシに茶髪グーループの子たちが絡んできてね、いじめられる!と思ったらこう言ったの。
「髪そめて私たちのグループに入りなよ」って。
ワタシはいじめられるくらいなら髪をそめたほうがいいって思ったのね。
そめたとしても漫研の子たちとは隠れてあえばいいわけだし。
それでね、その週末ワタシは髪をこの色に変えたの。」
俺「まあ、そんな状況じゃ仕方ないね」 - 95 :ほのぼのさん 12/06/24(日)08:57:20 ID:7QO3wPzXs
-
山田「うん……ワタシもそう思ってた。でもね、週明けに学校に行ってみたら他の子たちもみんな茶色に染めてたの……部長1人を除いて……」
俺「うわ……」 - 96 :ほのぼのさん 12/06/24(日)09:00:23 ID:7QO3wPzXs
- 山田 「部長からしてみれば、きっとクラス全員が敵に回ったような気分だったんじゃないかな。
次の日には学校にも来なくなっちゃって……」
俺 「……」
山田 「私今でも毎日考えるんだ。もしそこで私が黒髪に戻してたら部長も少しは救われたのかなって……。
でもね、私にはそうする勇気がなかったの」
俺 「黒髪に戻せば誰がイジメのターゲットになるかは明らかだしな」
山田 「それでね、私がその学校にいる間、ついに部長が登校してくることはなかった……」
俺 「……」
山田 「それを思えば教科書に落書きされるのなんて何でも無いよ」
俺 「でも……」
山田 「だからさ、俺くんも学校ではワタシに構わないで」 - 97 :ほのぼのさん 12/06/24(日)09:03:48 ID:7QO3wPzXs
- 俺「なあ、……山田はその部長がひとりになったとき助けたいと思ったんだよな」
山田「でもワタシには勇気がなかったから……」
俺「後悔してるんだな」
山田「……後悔ばっかり」
俺「じゃあ学校でも俺と話そう」
山田「え?」
俺「今のお前はその部長と同じだ。そして俺はそのときのお前なんだ!
俺は山田だけが傷ついてるのをみて後悔なんかしたくないよ。
後悔するくらいならいっしょに傷ついたほうがいい!」
山田「俺くん……」 - 98 :ほのぼのさん 12/06/24(日)09:08:29 ID:7QO3wPzXs
- 俺「もし後悔したまま、お前がまたいなくなったりしたら、俺がどうするかわかるか?
俺は自分を責めて責めて責めまくる。きっと後悔の念で廃人になる」
山田「……へ?」
俺「いや、下手したら自殺しかねないな。もしかしたらお前をいじめた連中を道連れにするかもしれん」
山田「俺くん、あの……」カーッ
俺「だから俺に後悔させるな!俺を頼れ!!」
山田「あ、あのね」プシュー
俺「ん、なんだ?」
山田「ワタシしばらくは引っ越さないの」
俺「………………しばらくって、どのくらい?」
山田「お父さんと話してね、少なくともワタシが高校卒業するまではここに居ていいって。
お父さんは単身赴任することになるかもだけど……
だから、その……」
俺「……さ、さ、さっきのは、聞かなかったことにしてもいいんだゼ」
山田「い、言ったからには、せ、責任とって欲しいかな……」
俺「おう……」 - 99 :ほのぼのさん 12/06/24(日)09:12:40 ID:7QO3wPzXs
- 夜 自宅
母「山田ちゃんも委員長もいっぱい食べてね」
山田・委員長「いただきます」
母「みんなそろって食事なんて何年ぶりだろうね~。一気に食卓が華やかになるね」
委員長「だいたい5年ぶりくらいですね」
母「5年?5年で山田ちゃんはほんとかわいくなったねぇ。うちのなんかがたいが大きくなっただけで全然成長しないんだから」
俺「ちょ、母さんはあっち行っててよ」
母「そのうえ反抗期と来たもんだ。ああ、あんたたちがうちの子になってくれたらねぇ」
俺「母さん!」 - 100 :ほのぼのさん 12/06/24(日)09:15:54 ID:7QO3wPzXs
-
山田「あ、この山菜の天ぷらおいしい!」
母「裏の山で今日とってきたばかりだからね」
山田「なんだかとっても懐かしい味がします。母の味っていうのかな」
母「うれしいこと言ってくれるねぇ。ホントにうちの子にならない?」
山田「いいんですか?」
俺「山田もなにその気になってるの!ほら、さっさと食べて話し合いするぞ」
母「あら、また昔みたいに悪巧み?」
委員長「ハハハ、僕たちもうそんなガキじゃないですよ」
母「私からしたらみんなあのころのまんまだよ。
ほらこっちの抹茶塩もおいしいから試してみて!」 - 101 :ほのぼのさん 12/06/24(日)09:20:38 ID:7QO3wPzXs
-
食後 自室
山田「先生相変わらずだね」
委員長「むしろ以前よりパワーアップしてると思わない?」
俺「おまえらが来てはしゃいでるんだよ。いつもはもう少し静かで」
山田「こんなにぎやかな晩ご飯はホント久しぶりだった。ありがと、誘ってくれて」
俺「まあ、話し合いのついでだ」
山田「それと委員長、この前はごめんね、『はじめまして』だなんて」
委員長「気にしてないよ。僕を巻き込まないためだったんでしょ
話は俺くんから聞いてるから」
俺「仲直りもできたみたいだし、それじゃあさっそく『会議』をはじめようか」
山田「先生の言う所の『悪巧み』ね」 - 102 :ほのぼのさん 12/06/24(日)09:26:04 ID:7QO3wPzXs
-
俺「ではさっそく参謀殿の意見を聞きたい」
委員長「ゴホン、ではまず2人に考えて欲しいんだけど、こんなにイジメが蔓延してるのになぜ先生たちはほっとくんだと思う?」
俺「かかわりたくないから?」
山田「イジメの事実を隠蔽したいから、かな」
委員長「うん、そういうのもあるね。中には教師が率先してイジメに加わってたなんて例もあるみたいだけど。
でもね、うちの担任がほっとくのは単にイジメの事実を知らないからなんだ」
俺「あんなにあからさまなのに?」
委員長「オシャピーグループはちゃんと計算してるんだよ。教師の前で下手なことはまずやってないね。
あからさまに見えるのも、他の子たちに対する牽制だと思うよ。『ちくったりしたら次はお前がターゲットだ』ってね」 - 103 :ほのぼのさん 12/06/24(日)09:29:51 ID:7QO3wPzXs
-
山田「たしかに前の学校でもいじめる側はそんな感じだった。
そういえば私が来る前もイジメはあったの?」
委員長「あったよ。ブラジル人とのハーフの子だったんだけどね。
目立つ容姿と独特のイントネーションのせいで、始業式が始まってすぐにイジメのターゲットになってた」
山田「あれ?でもそんな子クラスにいたっけ?」
委員長「山田さんが転校してくる前に保健室登校になっちゃってね。
ほら、給食の時間、日直がどこか行ってるでしょ。あれは給食をその子に持っていってあげてるんだ」
山田「かわいそう……」
委員長「かわいそうだけど、今は自分がそのターゲットになってるってことをお忘れなく」
山田「うん……」 - 104 :ほのぼのさん 12/06/24(日)09:33:05 ID:7QO3wPzXs
- 俺「なに暗くなってんだよ。今はおまえのために対策会議してるんだから、心配するな」
山田「そうだよね、わたし頑張る。
でもそれだけ功名にやってるイジメに対抗策なんてあるの?」
委員長「ふふん、お忘れかな?こう見えて僕は委員長なんだよ。クラス会議を開くことなんてお手の物だよ」
俺「あれ、でもこの前証拠がないし、オシャピーたちが言いくるめてくるから意味ないって言ってただろ」
委員長「あのときはね。今は山田さんが自ら立ち向かおうとしているし、この僕が協力するんだ。うまくいかないわけがないよ」
俺「はいはい、俺はどうせ何も役に立ちませんよ」
委員長「何言ってるの。俺くんがいたから今こうして僕たち3人が集まってるんじゃないか。それに俺くんにはまだやってもらわなくちゃ行けないことがあるし」
俺「その言い草、何かいいアイディアでも思いついたのか?」
委員長「まあね」 - 105 :ほのぼのさん 12/06/24(日)09:36:11 ID:7QO3wPzXs
-
委員長「まず証拠だけど、山田さん、落書きされた教科書まだ捨ててないよね?」
山田「うん、ここに持ってきてる」
委員長「うわー、こりゃひどいね」
俺「でもこれじゃイジメの証拠にはなっても、オシャピーたちがやってるって証拠にはならないんじゃないか」
委員長「俺くんにしてはいいとこつくね。たしかにこれだけじゃ証拠不十分だ。
だからね、さらに証拠を作るんだ」
山田「証拠を……作る?」 - 106 :ほのぼのさん 12/06/24(日)09:39:56 ID:7QO3wPzXs
-
委員長「ほら、ちょっと前に話題になっただろ「旧石器捏造事件」
俺「なんだっけ、旧石器を捏造して問題になったやつだっけ?」
委員長「まんまじゃないか。まあ、そうなんだけど。あれはもともと藤村なんとかって人がみんなが期待する石器をつぎつぎ掘り出したのが始まりだったんだ。まあ、そのことごとくが偽物だったみたいだけどね。」
俺「つまり委員長は教師が納得するイジメの証拠をでっち上げようっていうのか?」
委員長「平たく言えばね」
山田「でもその藤村って人みたいにバレちゃったりしない?」
委員長「バレたらバレたで言い訳はなんとでもできるんだけどね。例えば『イジメの現状を知ってもらうために仕方なかった』とかね。もっとも教師にバレるようなバカはしないよ」
俺「俺は委員長はコナンや金田一みたいな探偵タイプかと思ってたけど、案外全身タイツや怪人のほうがお似合いかもしれないな」
委員長「ありがとう。褒め言葉として受け取っておくよ。それで具体策なんだけどね…… - 107 :ほのぼのさん 12/06/24(日)09:44:11 ID:7QO3wPzXs
-
俺「山田、イヤならイヤって言っていいんだぞ」
山田「たしかにイヤだけど、でもちょっとわくわくしない?」
俺「まぁ、たしかにな。小学生の頃に戻った気分だ」
委員長「僕の作戦が小学生レベルだって言いたいの?」
俺「いや、小学生はこんな作戦思いつかない」
山田「委員長は今も純真なままだと思ってたのにな……」
委員長「何を言ってるんだい?僕の内面は昔からドロドロだよ?」
俺「そうだったのか?」
委員長「気付いてなかっただと?じゃあ言わなければよかったかな」
俺「……それで決行は?」
委員長「月曜のロングホームルームに」 - 108 :ほのぼのさん 12/06/24(日)09:50:13 ID:7QO3wPzXs
-
俺「明日のロングじゃだめなのか?」
委員長「だめだよ。週末挟んだら問題意識が薄くなる。
クラスメイトは山田さんに同情を、担任は監視役を、オシャピーには罪の意識を一週間は味わわせなきゃ。
山田さん、明日もオシャピーたちがなにかしてきたらその時は段取り通りに」
山田「うん、わかった。あそこに行ってあの子と仲良くなればいいんだよね」
委員長「フフ、自分で提案しといてなんだけど、なんだか僕までわくわくしてきたよ。
細かいとこは週末つめていくとして今日はこれくらいで大丈夫かな?」
山田「あの、いいかな?」
委員長「どうぞ」
山田「あ、その、質問とかじゃないんだけど……えっと……」
俺「?」
山田「また……またこうしてみんなで集まれるかな?」
委員長「……集まれるよ。それこそこの件が収まれば学校でだって」
俺「そうだな。またあのときみたいに3人で幽白観よう」 - 109 :ほのぼのさん 12/06/24(日)09:52:37 ID:7QO3wPzXs
- ああ、ここから最終章なのに時間ががが
夜帰ったら続きを書こう - 110 :ほのぼのさん 12/06/24(日)10:28:42 ID:q1VpQfZRF
- やっと追いついた
最終章、期待して待ってるぜ - 111 :ほのぼのさん 12/06/24(日)10:30:30 ID:yyJmq3s6X
- 委員長頭いいね、さすがわ参謀
- 113 :ほのぼのさん 12/06/24(日)17:40:12 ID:eElcw0Lpk
- そこでヤムチャが狼牙風々拳っすよー
- 114 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:19:54 ID:7QO3wPzXs
- 月曜日 ロングホームルーム
山田「キャアアアアアアアア!」
担任「ど、どうしたの山田さん!?」
山田「う、うぇ、うぇ……つ、机の中に……」
担任「……こ、これは……」
山田「ヒック……コ……コン……」
担任「言わなくていいよ。
……先生は山田さんを保健室に連れて行くから、みなさん静かに自習しててください。
となりのクラスに迷惑をかけないように!」 - 115 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:22:12 ID:7QO3wPzXs
-
ざわざわ…… ざわざわ……
DQN「なあ、委員長ちょっと頼みがあるんだけど、ちょっとこっち来てくれ」
委員長「何?」
DQN「さっき山田の机からなんか出てきたろ?」
委員長「ああ、あれなんだったんだろうね、ゴキブリか何かかな」
DQN「……コンドームだ」
委員長「コンドームって、保健で習ったあれ?」
DQN「そうだ。で、頼みってのはよ、俺の持ってるコンドームをお前に持ってて欲しいんだ - 116 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:24:23 ID:7QO3wPzXs
-
委員長「ひょっとしてDQNくんが山田さんの机に!?」
DQN「シーッ!静かにしろ!んなわけねえだろが!!
やってないけど俺がこんなもん持ってたら一発で疑われちまうだろ?」
委員長「だからといって僕が持ってたら僕が疑われちゃうじゃないか!」
DQN「だから声がでかいって!大丈夫、委員長はまじめだから担任も疑いやしねえよ。
俺はたぶん真っ先に疑われるから、もし俺の身に何かあったらそいつを処分してくれ。
っていうかそれお前にやるよ。別に返せとか言わないから。いいか頼んだぞ!じゃあな」 - 117 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:26:34 ID:7QO3wPzXs
-
 ̄ ̄
委員長「(聞いてた?)」
俺「(おう)」
委員長「(作戦はそのまま。臨機応変に)」
俺「(了解)」 - 118 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:28:54 ID:7QO3wPzXs
-
担任「みなさん、静かにしてください!山田さんは気分が悪くなったので保健室で休んでいます。
中には気付いた人もいるようですが、山田さんの机の中にはイタズラ書きをされた教科書
卑猥なことが書かれた紙、そして封が開けてある避妊具が入っていました。
他人の持ち物にイタズラ書きするのはもちろんいけないことですが
女の子の机の中に使用済みの避妊具を入れるということは心を深く傷つける行為です。
やったひとはおもしろ半分だったとしても、山田さんの心の傷は簡単になおるものではありません。
先生は皆さんの中に犯人がいるとは考えたくありませんが
どうやら昼休みの間に誰かが山田さんの机の中に入れたようです。
……みなさん、目を閉じて机に伏せてください。いいですか?
山田さんの机の中にあったもののことでなにか心当たりがある人は手を挙げてください」 - 119 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:31:23 ID:7QO3wPzXs
-
ざわざわ…… ざわざわ……
担任「おろしてください。みなさん目を開けてください」
男子A「誰か知ってるやついるのか」
男子B「誰かあげてるやつ見たか?」
男子C「誰もあげてなかったと思うけど……」
担任「静かにしてください! ̄ ̄これからみなさんにはプリントをくばります」 - 120 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:33:59 ID:7QO3wPzXs
- 担任「本当はこれに今日のホームルームの感想を書いてもらう予定でしたが
今回のことでもし何か知っていることがあれば記入してください。
何も知らない人もイジメについてどう思うかを書いて提出してください。
いいですか?必ず何か書いて提出してください。時間は5分です……始め!」
担任「Aさん、おしゃべりはダメです!誰とも相談せずに自分の思ってることを書いてください」
A「えぇ~」 - 122 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:37:03 ID:7QO3wPzXs
- 担任「……みなさん書き終わりましたね。それでは回収します。
裏にして後ろから前に送ってください」
担任「みなさんにはこれから出席番号順で一人ずつ進路指導室に来てもらいます。
まずは出席番号一番伊藤くん一緒に来てください。
伊藤くんが戻ってきたら次の子が来るように。いいわね!」
俺『面白くなってきた』 - 123 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:38:02 ID:7QO3wPzXs
-
担任「じゃ、まず初めに聞いておきたいんだけど、俺くん、ここに書いてあることは全部本当のこと?」
俺「本当です」
担任「私はオシャレ番長さんや、Aさん、BさんCさんがイジメをしてるなんてとても思えないんだけど」
俺「あの子たちは狡猾です。先生の前ではいつも猫をかぶってます」
担任「あなたもいじめられたことがあるの?」
俺「僕はありませんが、いじめられてる子を何人も見てきました。保健室登校のHさんも、転校生の山田さんもあの子たちにいじめられてました」
担任「Hさんや山田さんからそういう話は聞かないけど」
俺「先生に言えばイジメがますますひどくなるからじゃないですか?」 - 124 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:39:48 ID:7QO3wPzXs
-
担任「ん~……それは本当にイジメだったのかしら?喧嘩とかじゃなかった?」
俺「……給食に雑巾の汁をかけるのは喧嘩ですか?」
担任「え?」
俺「イスに画鋲を貼付けるのも喧嘩ですか?」
担任「……」
俺「先生は先週山田さんが保健室に行ったことを知ってますか?」
担任「ええ、聞いてはいるけど……」
俺「いくつも画鋲がささるのはとても痛いんでしょうね……」
担任「……俺くんは……オシャレ番長さんたちが画鋲を張るのを見たの?」
俺「……いいえ」
担任「それじゃあ――」
俺「僕が見たのは痛がる山田さんをニヤニヤ見ていたオシャレ番長さんたちだけです」 - 125 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:41:19 ID:7QO3wPzXs
-
担任「……わかりました。それじゃあ教室に戻って」
俺「それとですね」
担任「まだなにかあるの?」
俺「さっき先生たちが保健室行ってる間に、DQNくんが委員長となにかこそこそやってましたよ」
担任「DQNくんと委員長君?」
俺「今回のことと関係あるかは知りませんが念のために言っておきます。それでは失礼します」 - 126 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:42:16 ID:7QO3wPzXs
-
委員長「どうだった?」
俺「ありのままを言ったらあっけにとられてた。まさか自分のクラスにイジメがあるなんて思っても無かったんだろうな」
委員長「DQNくんのことは?」
俺「委員長となにかこそこそやってたって答えといたから覚悟しとけよ」
委員長「こわやこわやwww」 - 127 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:43:12 ID:7QO3wPzXs
-
DQN「おい」
俺「ん?」
DQN「俺のこと何にも言ってないだろうな?」
俺「DQNのこと?なんでさ?まさかお前犯人なの?」
DQN「な、んなわけねぇだろぉが、バカかよ」
俺「だったらもっと堂々としてろよ。それじゃ犯人みたいだぜ」
DQN「てめぇ……」 - 128 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:44:55 ID:7QO3wPzXs
- 男子A「あ、委員長戻ってきた」
男子J「じゃ、次は俺か」
委員長「まって、まだ僕の番終わってないから」
男子B「鞄もってどうしたん?早退?」
委員長「すぐ戻ってくるよ……。 みんな~、廊下まで声響いてるからちょっと静かにしてね!」
一同「はーい」 - 129 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:45:39 ID:7QO3wPzXs
-
俺『委員長うまくやってるみたいだな』
男子C「あれ?俺くんどこ行くの?」
俺「ちょっと便所。しばらく先生もこないだろうし」 - 130 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:49:42 ID:7QO3wPzXs
-
俺「失礼しまーす」
保険医「はーい、どうしましたか?」
俺「山田さんは大丈夫ですか?」
保険医「今は落ち着いてますが、いま男の子と話すのはちょっとね……」
山田「先生、大丈夫です。俺くんは信用できますから」
保険医「でも……ホームルーム抜け出していいの?」
俺「今、先生が生徒一人ずつと面談しています。僕は山田さんと仲がいいから様子を見てくるように言われました」
保険医「そうなの。じゃあ入って」
俺「失礼しまーす」 - 131 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:50:58 ID:7QO3wPzXs
-
山田「ね、言ったでしょ。絶対俺くんが来てくれるって」
俺「Hさん、久しぶり。元気?」
H「……」
俺「えっと……Boa tarde. Como vai?」
H「ワタシノクニノコトバ!」
俺「挨拶くらいしかできないけど」
H「スゴイデスネ……」 - 132 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:52:42 ID:7QO3wPzXs
-
俺「Hさんの方がもっとすごいよ」
H「ドウシテ?」
俺「慣れない日本で、たいへんなこといっぱいあるのに、それでも毎日学校に来てるから」
H「デモクラスニイケナイカラ、ワタシスゴイナイデス」
俺「スゴいよ!俺だったらきっと学校に来れなくなってる。Hさんはスゴいよ」
H「……」 - 133 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:54:26 ID:7QO3wPzXs
-
山田「俺くんはね、私たちが教室に戻れるようにがんばってるの」
H「ガンバル?ナニヲスル?」
俺「……今、教室ではみんなでイジメについて考えてる。
どうしたらいじめがなくなるだろうって。
でもね、イジメをしてる子たちはイジメなんかないって言ってるんだ」
H「……」
俺「先生はそれを聞いて困ってる。
俺がいくらイジメがあるって言っても、俺だけを信じるわけにはいかないからね」
H「……」 - 134 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:55:46 ID:7QO3wPzXs
-
俺「だから俺は、Hさんにイジメがあったことを正直に先生に話して欲しいんだ」
H「……ワタシガセンセイニイウト、モットイジメラレマス」
俺「いじめられない!先生に言えばいじめられなくなるよ」
H「デモセンセイイナイトキニイジメル」
俺「その時は俺がいじめさせない!」
H「!」 - 135 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:57:46 ID:7QO3wPzXs
-
俺「俺と委員長と山田さんとで、キミを守るよ」
H「……」
山田「Hさん、いっしょに先生のとこ行こ?」
H「ヤマダサン……」
山田「ワタシもイジメられたこと全部話すから。一緒に話そう」
H「……デモ……」
山田「俺くんはね、やるっていったら絶対やる人なの。
だから私たちを助けてくれる。だからね、私たちは私たちにできることをしなくちゃ」 - 136 :ほのぼのさん 12/06/24(日)23:59:21 ID:7QO3wPzXs
-
H「アナタハ……ワタシヲタスケテクレマスカ?」
俺「もちろん!」
H「……アナタハ……アナタハマルデセイヤミタイナヒトデスネ」
俺「え?」
H「ナンデモナイデス。ヤマダサン……ワタシモセンセイトハナシマス」 - 137 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:01:36 ID:xqLMgMEmf
-
教室
DQN「委員長よぉ、てめえのせいで俺が疑われちまってるじゃねえか、どうしてくれるんだよ!」
委員長「DQNくん落ち着いて。僕は君のことは何にも話してないよ、ホントだよ」
DQN「じゃあどうして俺があんな尋問受けなきゃ行けないんだよぉっ!!」
委員長「先生の話だとDQNくんが僕にあれを渡すのを誰かが見てたみたいだよ」
DQN「あぁん!?誰だぁっ!?チクったやつ!!出てこいよ!!」
一同「……………………」
DQN「チッキショーッ!」 - 138 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:03:12 ID:xqLMgMEmf
-
男子A「おい、もう全員終わったろ?先生何してんだよ」
男子B「早く部活いかないと怒られちゃうよ……」
男子C「でも先生来ないのに終わったらマズいんじゃね?」
一同「……」
担任 ガラッ「ハイ、みなさん、席に着いてください」 - 139 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:04:16 ID:xqLMgMEmf
-
担任「みなさんから話を聞いたあとに彼女たちからも話を聞きました。
Hさん、ヤマダさん入いってきてください」
ざわざわ…………ざわざわ…………
担任「彼女たちは勇気を持って今まで何があったかを私に話してくれました。
もうホームルームの時間は過ぎてしまいましたが、彼女たちから皆さんに話したいことがあるそうです。
静かに聞いてください」 - 140 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:06:01 ID:xqLMgMEmf
-
山田「(頑張って)」
H「(ウン)……ミナサンコンニチハ、Hデス。ワタシハイママデホケンシツトトウコウヲシテマシタ。
ナゼナラ、イジメラレルノガコワカッタカラデス。
イジメラレタコトヲセンセイニイエバ、モットイジメラレルトオモイ、ワタシハナニモイエマセンデシタ。
デモ、ヤマダサンハイイマシタ。「ワタシトイッショニベンキョウガシタイ」ト。」 - 141 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:06:58 ID:xqLMgMEmf
-
山田「ワタシは転校してきたばかりですが、クラスメイトが欠けているのはとてもさびしいと思います。
だからHさんに聞いてみました。「クラスのみんなと一緒に勉強したくない?」って」 - 142 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:08:22 ID:xqLMgMEmf
-
H「ワタシハミンナトイッショニベンキョウガシタイデス
……ワタシガホケンシツニイルトキ、イツモキュウショクヲモッテキテクレテアリガトウゴザイマシタ。
トテモウレシカッタデス……ウゥッ……」
山田「Hさん、がんばって!」
\ガ……ガンバレ/ \ガンバレ/ \ガンバレー/ - 143 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:09:38 ID:xqLMgMEmf
-
H「ウウ……ミナサンアリガトウゴザイマス。ワタシハミナサントイッショニベンキョウガシタイデス。
ダカラモウ、ワタシヲイジメナイデクダサイ、オネガイシマス」
委員長 パチパチパチ……
一同 パチ……パチ……パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ - 144 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:10:31 ID:xqLMgMEmf
-
山田「ワタシはこの学校に転校してきた時とてもステキな学校だなって思いました。
だってみんながとてもやさしくしてくれたからです。
こんなワタシでもやさしくしてもらえるんだと思ったらとても、とても安心しました。……グス……」
H「ヤマダサン、ガンバレ」
\ガンバレ/ \ガンバレー/ \ガンバレ/ - 145 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:11:32 ID:xqLMgMEmf
-
山田「次の日ワタシはある人からラブレターをもらいました。
わたしがラブレターをもらえるなんてまるで夢のようでした。
だけどワタシはおことわりの手紙を書きました。ワタシには既に好きな人がいたからです。」
ざわざわ…………ざわざわ………… - 146 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:13:39 ID:xqLMgMEmf
-
山田「その手紙はどうやらその人を怒らせてしまったみたいで、今日机の中に変なものが入ってました。
たしかに好きな人にふられたらワタシも怒るかもしれません。
でもだからといって教科書に落書きしたり変なモノを机の中にいれるのは間違ってます。
怒ったなら怒ったって直接ワタシに言ってください。
友達ってそういうものじゃありませんか?―――皆さん、自己紹介では言えませんでしたが
ワタシの名前は山田です!皆さん仲良くしてください!!」
俺 パチパチパチ……
一同 パチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチパチ
DQN「(え、ちょ……おい)」 - 147 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:15:47 ID:xqLMgMEmf
-
担任「2人は敢えていじめた人の名前は言いませんでしたが、心当たりのある人は、放課後先生の所まで来てください。
進路相談室でまってま――」
ガガガガガ――
『山田おもいっきり画鋲の上に座ってたよね~』
『今頃お尻血まみれなんじゃない?』
『あれ?ヤマチー、今日重い日?』
『ギャハハハハハハハッハハッハハハハハハ』
女子A「な……何これ!?」
女子B「放送きって!!」
ジョッシー「音小さくならないよ~!!」
オシャピー「何これ!!どうなってんのぉぉぉおおお!!??」 - 148 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:17:19 ID:xqLMgMEmf
- 『ねえ、つぎはどうしようか?』
『あ、そうだ!あいつの机に使用済みコンドーム入れとこうよ。
そしたら男子もあいつがヤ◯マンってことに気付くんじゃない?』
オシャピー「なにこれ、わたしこんなこと言ってない……」
『もし問題になったとしても男子のせいにできるしね。
そういえばDQNがコンドーム自慢してたからあいつのせいにしちゃえばよくね?
ギャハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ』 - 149 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:20:25 ID:xqLMgMEmf
-
DQN「てめぇ~、よくも俺のせいにしやがったな!」
オシャピー「待ってDQNくん、わたしあんなこと言ってな――」ドガッ
DQN「ん、前よりかわいい顔になったんじゃね?」ドガ、ドガッ
オシャピー「歯が……歯が……」
担任「やめなさいDQNくん!誰かDQNくんを止めてえええええ!!」
「もしもし……警察お願いします」 - 150 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:21:45 ID:xqLMgMEmf
-
翌朝
H「オハヨウゴザイマス、ヤマダサン」
山田「おはよう、えっちゃん!」
H「……エッチャン?」
山田「エイチちゃんだと長いからえっちゃん……ダメ?」
H「……ダメジャナイデス。日本ニキテハジメテノアダナデス。ワタシ、タイセツニシマス」
山田「そういわれるとちょっぴり恥ずかしいかな」 - 151 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:22:58 ID:xqLMgMEmf
-
H「ワタシモ……ワタシモヤマダサンノコト、アダナデヨンデモイイデスカ?」
山田「え、いいけど……ヤマチーはやめてほしいな」
H「ジャア……ヤッチャン……ハ、ドウデスカ?」
山田「やっちゃん……うん、ステキ!えっちゃんとやっちゃんでおそろいだね」
H「ヨロシクオネガイシマス、やっちゃん」
山田「えっちゃん、友達同士でその言い方はちょっと堅苦しいかも」
H「ジャアドウスレバ……」
山田「よろしくね!でいいんだよ」
H「ヨ・・・よろしくね、やっちゃん」 - 152 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:24:03 ID:xqLMgMEmf
-
委員長「素晴らしい友情だね」
俺「盗み聞きはよくないぞ」
委員長「そういう俺くんも聞いてたくせに」
俺「……」
委員長「せっかくだから僕が俺くんにあだ名つけてあげよっか」
俺「は、いまさら?」
委員長「俺くんだから……おっくん!どう?」
俺「おもいっきりあいつらのパクリじゃんか」
委員長「あ、バレた?」 - 153 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:24:56 ID:xqLMgMEmf
-
俺「それに今更変えた所で定着しないって」
委員長「僕のは委員長で定着しちゃったけどね」
俺「あれ?嫌だったか?そのあだ名」
委員長「嫌じゃないけど僕がもし委員長じゃなくなったらなんて呼ぶのさ」
俺「他のやつがそう呼ばなくなっても、俺だけは委員長って呼び続けるかな」
委員長「それなら……許す」 - 154 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:29:05 ID:xqLMgMEmf
-
夏休み えっちゃんの家
俺「おお、涼しい!」
委員長・山田「お邪魔しまーす」
H「あがって~」
俺「それにしてもまさかえっちゃんの家で幽白観ることになるとはな」
山田「言っとくけどメインは受験勉強なんだからね」
俺「へいへい」 - 155 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:30:02 ID:xqLMgMEmf
-
委員長「ねえ、ブラジルでも幽白ってやってたの?」
H「はい、男の子はレイガンのマネしてました」
俺「ハハ、どこの国でもやることは同じだな」
H「でも一番人気は聖闘士星矢でしたね」
俺「あ、俺知らない」
委員長「僕も」
H「うそー!なんで日本人なのに聖闘士星矢知らないんですか!?」 - 156 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:31:16 ID:xqLMgMEmf
-
俺「たしかアニメやってたの俺らが産まれる前じゃないか?」
委員長「たぶんそう」
山田「うちはお母さんが好きだったと思う」
俺「ああ、山田んちのおばさん若いもんな」
H「ワタシとっても悲しいです。まさか日本人があの名作を知らないなんて」
俺「いや、なんとなくは知ってるんだけど……ほらペガサスなんとかとか」
H「ペガサス流星拳ですか?彗星拳ですか?それともペガサスローリングクラッシュですか?」 - 157 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:32:08 ID:xqLMgMEmf
-
俺「う…………」
H「じゃあ幽白観終わったら聖闘士星矢の鑑賞会です。ワタシビデオ全部持ってます」
山田「えっちゃん、今日は勉強会!」
H「自国の文化を知らずして何が勉強会ですか」
委員長「えっちゃんたまに日本人より日本人らしいこと言うよね」
俺「日本語もあっという間にうまくなったしな」
H「幽白だと桑原弱いですけど、同じ声の人聖闘士星矢ではとっても強いですよ」
俺「桑原が弱いっていうのはちょっと聞き捨てならないな」
H「だって魔界編では全然活躍しませんよね?」
俺「それは桑原にだって学校があってだな――」 - 158 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:34:34 ID:xqLMgMEmf
-
山田「そういえばうちのお父さんが言ってたけど、DQNくん少年院に行くみたいだよ」
俺「まあ、仕方ないな。いろいろ余罪も出てきたし、あれだけ顔ぐちゃぐちゃに殴ったらね。
……ひょっとしてオシャピーのこと後悔してる?」
山田「今どこにいるかも知らないけど、正直DQNくんが殴り掛かった時は心の中で
『いいぞ、もっとやれ』って言ってた。だから後悔なんて少しもしてないよ」
H「ワタシもDQNくんが殴ったとき、びっくりしたけど、やっぱりスッキリしてました。
ところであのとき流れた放送、あれは委員長たちの仕業じゃないですか?」
委員長「あ、ばれてた?」
H「いいえ、なんとなくそうじゃないかな~と思っただけです。
でもいったいどうやったんですか?他のクラスでは流れてなかったみたいですけど」
委員長「ウチの教室、スピーカーの下に掃除道具入れがあるでしょ?」
山田「まさかあの中にラジカセ入れてたの?」
委員長「はずれ」 - 159 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:36:07 ID:xqLMgMEmf
-
山田「え~、じゃあどうやったの?」
委員長「ラジカセ、っていうかMDプレイヤー使ったのは正解」
H「あ、わかりました~!」ノシ
俺「はい、えっちゃん」
H「道具入れの上の段ボールの中に隠してたんですね」
委員長「正解」
山田「なるほど。たしかにあそこならスピーカーからの音みたいに聞こえるかも」
委員長「あそこに設置して、あとはタイミング計ってリモコン押すだけだよ」 - 160 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:37:46 ID:xqLMgMEmf
- H「まるでGTOのワンシーンみたいでかっこよかったです」
委員長「あ、元ネタバレてるwww」
H「でも、よくあんな音声取れましたね」
委員長「あー……うん、あれはラッキーだったね」
俺「……ラッキーねぇ」
山田「あれ?俺くんなにか隠してる?」
俺「んー、俺からはノーコメントで」
山田「えーどういうこと!?」
H「どういうことですか、委員長さん」
委員長「うーん……僕と俺くんだけの、ひ☆み☆つ♪」
俺「うえっ」 - 161 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:39:21 ID:xqLMgMEmf
-
2012年 初夏 とある同窓会
「ねぇ、ひょっとしてあの時流したオシャピーの声、委員長がやってたの?」
「あーあ、ついにバレちゃったか。私と伊藤くんだけの秘密だったのに」
「あのころから委員長はかわいかったですからね」
「あのころはかわいいって言うと怒ってたけどな」
「あ、あれは怒ってたんじゃなくて……伊藤くんにかわいいって言われるのが恥ずかしかっただけで……」 - 162 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:39:49 ID:xqLMgMEmf
-
「あら、ひょっとしてHさん?」
「先生!いらしてたんですね」
「そちらは伊藤くんに山田さんね」
「ご無沙汰してます」
「お久しぶりです」
「あらあら、伊藤くんはあいかわらず両手に花なのね」
「いや、全然そんなんじゃないですから」 - 163 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:40:36 ID:xqLMgMEmf
-
「なに?私たちじゃご不満?」
「恥ずかしがらなくてもいいじゃないですか~」
「花は花でもこいつら腐ってやがるからなゴフゥッ」
「誰が巨神兵ですって?」
「み、みぞおちはやめて……」 - 164 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:42:34 ID:xqLMgMEmf
-
「ホントあいかわらずなのね。あ、でも花がもう一輪増えたのかしら?
ごめんなさいね。女の子は誰だか当てるのが難しくて」
「フフ、先生でもわかりませんか?」
「私も最初はわからなかったからねー」
「『女の子』枠で考えてたらそりゃわからないよ」
「お久しぶりです先生、委員長です」
「い、委員長君!?」 - 165 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:43:11 ID:xqLMgMEmf
-
「スゴいおっぱいね~、ねえ、触ってもいい?」
「いいですよ~」
「は~、まるで本物ね」
「最近の技術はすごいんですよ~」
「ひょっとしてこっちの方も……?」
「あ、下の工事はですね――」 - 166 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:43:46 ID:xqLMgMEmf
-
「先生と委員長盛り上がってますね」
「先生男並におっぱいないからね」
「委員長さ、山田が転校してきたときお前の胸に妬いてたんだと」
「ふん、今では私より大きくなっちゃって!」
「それで、伊藤くんは3人の中で誰のおっぱいが好きなんですか?」
「は?何その質問。てか委員長も数に入ってるのかよ」
「呼んだー?」
「わ、ちょ、胸の谷間を強調するなって!」 - 167 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:46:04 ID:xqLMgMEmf
-
2012年 6月15日
「中学の時のこと?2ちゃんに?ええ~どこまで書く気?」
「本名出さないならいいですよ、私は」
「伊藤くんが私のことどう書いてくれるか楽しみ」
「まあ、ところどころ変えて書くことになると思うけどさ。
……ところでおまえらが好きだった幽白のキャラ ̄ ̄」
「「蔵飛」」
「戸愚呂(弟)。伊藤くんは桑原だっけ?」
「え、まさかそんなことまで書くの?」
「中3のとき俺が飛影と蔵馬って言ったら真顔で訂正したお前のこと書きたいから」
「ああ、そのカップリングは確かに許しがたいですね」
「ちょ、まさかあんた本気で――」
~ おわり ~ - 168 :ほのぼのさん 12/06/25(月)00:55:55 ID:3iPMRPtjB
- うそぉー!
委員長!! - 169 :ほのぼのさん 12/06/25(月)01:00:25 ID:xqLMgMEmf
- 委員長 いまはキレイな オネエさん
- 170 :ほのぼのさん 12/06/25(月)01:19:06 ID:3iPMRPtjB
- これがノンフィクションだなんて…
委員長はどこまで素晴らしいキャラなんだw
そして
おれくんは誰を選んだのか気になる171 :ほのぼのさん 12/06/25(月)01:29:39 ID:xqLMgMEmf
>>170
やっぱり委員長のキャラの濃さが出てたかwww
ほんと彼女はいっしょにいて飽きないよ - 176 :ほのぼのさん 12/06/26(火)01:06:54 ID:Jevti6kWC
- 山田も委員長も人気だな
ならえっちゃんは俺がもらっときますねー - 179 :ほのぼのさん 12/06/27(水)21:57:09 ID:c5n5Fx1I1
- フィクションだろうがノンフィクションだろうが面白かった!!!
すごい引きこまれて読みましたよ。
けっこう会話見やすかったし。 - 180 :ほのぼのさん 12/06/27(水)23:02:24 ID:xXX3916Z9
- オシャピーやDQNは元気にやっているだろうか…
- 181 :ほのぼのさん 12/06/27(水)23:03:11 ID:/E84vkY4A
- たしかにちょっと気になるwww
こんな記事もおすすめです
(∩´∀`)∩ コメント大歓迎 ヽ(^o^)丿
(=゚ω゚)ノ コメントについてのあれこれ
1.スパム防止の為、URLは貼れません。httpのhを抜いてください
2.エロや差別的なキーワードにはフィルタが掛かって書けない事があります
1.スパム防止の為、URLは貼れません。httpのhを抜いてください
2.エロや差別的なキーワードにはフィルタが掛かって書けない事があります